アルツハイマー型とレビー小体型の違いを分かりやすく解説【家族向け】

● 介護の始め方

アルツハイマー型とレビー小体型の違いを分かりやすく解説【家族向け】

こんにちは、介護主任のみしょです。
介護の現場でよく聞かれる質問のひとつに、
「同じ認知症でも、アルツハイマー型とレビー小体型って何が違うの?」というものがあります。

一見似ているようでも、症状の出方・進行スピード・対応の仕方がまったく異なります。
私自身、介護主任として約20年現場を見てきましたが、この違いを理解しているかどうかで、ご家族の対応が大きく変わると感じています。

今回は、医療用語をできるだけ使わずに、
「家族が現場でどう気づき、どう支えるか」を中心に、アルツハイマー型とレビー小体型の違いを解説します。

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アルツハイマー型認知症とは?

認知症の中でも最も多いタイプが「アルツハイマー型認知症」です。
脳の神経細胞が徐々に壊れていくことで記憶を司る部分から障害が進み、もの忘れが中心の症状として現れます。

初期では「最近のことをすぐ忘れる」「同じ話を何度もする」などが見られます。
ただし、単なる“もの忘れ”ではなく、徐々に判断力・理解力・段取り力も低下していくのが特徴です。

たとえば、
・買い物に行っても必要なものを思い出せない
・料理の手順がわからなくなる
・財布をしまった場所を忘れて探す
といった形で、日常生活全体に支障が出てきます。

進行とともに、時間や場所がわからなくなる見当識障害が現れ、
「今日は何日?」「ここはどこ?」と不安を訴える方も増えます。
また、不安や混乱から被害妄想・徘徊といった行動も出てくることがあります。

介護主任の視点
アルツハイマー型の方は「できなくなった自分」に強いショックを受けます。
責めたり訂正するよりも、「一緒にやろう」「大丈夫だよ」という声かけが大切です。

レビー小体型認知症とは?

一方で、近年増えているのがレビー小体型認知症(DLB)です。
アルツハイマー型と大きく違うのは、「幻視」や「認知のゆらぎ」が目立つ点です。

「幻視」とは、実際には存在しないものが見える症状です。
代表的なのは、小さな子どもや虫・動物などの姿がはっきり見えるケース。
本人にとってはリアルに見えているため、「怖い」「追い払ってほしい」と訴えることもあります。

また、レビー小体型の特徴として「日によって調子が大きく変わる」ことがあります。
昨日は普通に会話できたのに、今日は急にぼーっとして反応が鈍い――。
このような“認知機能の日内変動”がレビー型の大きなサインです。

さらに、パーキンソン症状(すり足・手のふるえ・表情の乏しさ)や、
レム睡眠行動障害(夢の中で暴れる・寝言が多い)が見られる場合もあります。

現場メモ
DLBの方は、夜間せん妄や転倒のリスクが高いです。
夜中に「人がいる」「虫がいる」と言って立ち上がるケースもあり、見守りと安全確保が必須です。

アルツハイマー型とレビー小体型の主な違い

項目 アルツハイマー型 レビー小体型(DLB)
初期症状 記憶障害(最近のことを忘れる) 幻視、注意障害、認知のゆらぎ
運動面 比較的安定している パーキンソン症状(ふるえ・こわばり)
睡眠 不眠・昼夜逆転が進行期に出やすい レム睡眠行動障害(夢の中で暴れる)
薬の反応 標準的にコリンエステラーゼ阻害薬を使用 抗精神病薬に過敏。副作用リスクが高い
日中の変化 比較的一定 日によって認知の波が大きい(日内変動)

家族が早く気づくためのチェックポイント

  • 同じ話を何度も繰り返す(アルツハイマー型)
  • いないはずの人や小動物が見える(レビー型)
  • 日によってハッキリしている時とボーッとしている時の差が大きい
  • 寝ている間に叫ぶ・動く(レム睡眠行動障害)
  • 歩幅が小さくなり転びやすくなる(パーキンソン症状)

この中で複数当てはまる場合は、早めに神経内科や物忘れ外来での受診をおすすめします。


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診断の流れと医療機関での検査

医療機関では、問診や心理検査、画像検査などで判断します。

  • 問診・心理検査:MMSEやMoCAで記憶・注意・見当識を確認
  • 画像検査:MRI・CTで脳の萎縮を確認。DLB疑いではDAT-SPECTやMIBG心筋シンチが使われることも
  • 薬物治療:ドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬が両者で用いられる

レビー型の場合、抗精神病薬に過敏に反応しやすいため、自己判断での服薬や市販薬の使用は厳禁です。

受診のコツ
症状が出る時間帯や幻視の内容、転倒の回数をメモしておきましょう。
可能であれば動画を撮っておくと、医師の判断材料になります。

関わり方のコツ:家族ができるサポート

アルツハイマー型の場合

  • 予定や出来事を「書いて見える化」する
  • 物の定位置を決めて、環境を変えすぎない
  • 失敗しても訂正より安心を優先する
  • できることは一緒に続けて“役割”を持たせる

レビー小体型の場合

  • 幻視を否定せず「怖かったね」と受け止める
  • 転倒防止(段差・滑り止め・照明)を徹底
  • 調子が良い時間帯に外出や通院を計画
  • 睡眠リズムを整え、夜間の刺激を減らす

どちらのタイプも共通して大切なのは、家族が一人で抱え込まないことです。
介護サービスや地域包括支援センターを早めに活用しましょう。

介護主任のアドバイス
「まだ早い」「もう少し頑張れる」と思っても、早期の支援開始が結果的に家族を守ります。
デイサービスや訪問介護、福祉用具の利用は“頼ることの第一歩”です。

まとめ|違いを知ると、ケアがやさしくなる

アルツハイマー型は記憶障害が中心
レビー小体型は幻視・日内変動・パーキンソン症状が特徴。
それぞれに合ったケアを意識することで、本人の不安も、家族の負担も確実に軽くなります。

そして何より大切なのは、「その人らしさを守る」視点
完璧な介護を目指すよりも、「今日も一緒に笑えた」「安心して眠れた」――そんな積み重ねが何よりの支えになります。

不安や違和感を感じたら、早めに専門医や地域包括支援センターへ相談してみてください。

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