高齢者介護の現場に外国人が増えている理由|現役介護主任が解説

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高齢者介護の現場に外国人が増えている理由|現役介護主任が解説

こんにちは、介護歴20年・現役の介護主任をしているみしょです。
最近、どこの施設へ行っても外国人スタッフの姿を見かけるようになりました。
利用者さんからも「最近、外国の人が増えたねぇ」「言葉は通じるの?」といった声をよく耳にします。
この記事では、なぜ外国人介護士が急増しているのか、どんな制度や背景があるのか、そして現場で感じるリアルなメリット・課題をお伝えします。


■ なぜ外国人が介護現場で増えているのか?

最も大きな理由は「人手不足」です。
厚生労働省のデータによると、2025年には約243万人の介護職員が必要とされていますが、現状では30万人以上が不足すると言われています。
背景には以下のような事情があります。

  • 高齢化が急速に進み、要介護者が増加している
  • 若年層の介護離れが進み、求人を出しても応募が少ない
  • 離職率が高く、定着しにくい職場が多い

こうした現状の中で、政府が本格的に取り組んだのが「外国人介護人材の受け入れ」です。
単なる労働力確保ではなく、長期的に日本の介護を支える戦力として期待されています。

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■ 外国人介護士を受け入れる3つの制度

現在、日本で外国人が介護の仕事に就くルートは大きく分けて3つあります。
それぞれの特徴を理解しておくことで、現場でも対応しやすくなります。

① EPA(経済連携協定)

EPAは、インドネシア・フィリピン・ベトナムなどとの協定に基づく制度です。
外国人が介護福祉士の国家資格を取得することを目的に来日します。
彼らは勉強しながら現場で働くため、意欲が高く、利用者との関わりにも熱心です。

国家試験に合格すると、長期的に日本で働けるようになります。
ただし、勉強や日本語試験の壁もあり、施設としても学習支援が欠かせません。

② 技能実習制度

技能実習は「日本の技術を学び、自国へ持ち帰る」ことを目的とした制度です。
介護分野では2017年から対象職種に追加され、3〜5年の期間で働く人が多いです。

実習生は「学びながら働く立場」ですが、実際の現場では即戦力になるケースも多く、特に夜勤や身体介助の場面で頼りになる人も少なくありません。
ただし、帰国を前提としているため、人材の定着には課題が残ります。

③ 特定技能ビザ

2019年に始まった「特定技能制度」により、介護分野は「特定技能1号」として認められました。
これは、一定の日本語力(N4以上)と介護技能の試験に合格すれば、日本で最長5年間働ける制度です。

EPAや技能実習と比べると柔軟で、転職も可能。
さらに、特定技能2号に移行すれば家族帯同や永住も視野に入ります。
実際、今後もっとも増えると予想されているのが、この「特定技能」人材です。


■ 外国人スタッフが現場にもたらすメリット

外国人スタッフが加わることで、現場にはさまざまな良い変化が生まれます。

  • ① 人手不足の解消につながる
    夜勤や早番など人が集まりにくいシフトにも入ってくれるため、職員全体の負担が軽減されます。
  • ② ケアの質が安定する
    しっかりと学習意欲があり、報告・連絡・相談を真面目に行う人が多い印象です。現場の雰囲気も落ち着きます。
  • ③ 利用者にも安心感を与える
    最初は戸惑う方もいますが、笑顔や丁寧なケアで信頼関係が築かれ、「あの子がいると安心する」と言われるケースもあります。
  • ④ 現場に明るさと多文化が生まれる
    会話や食文化を通して、職員間の交流も豊かになります。お互いに学び合える雰囲気が出てくるのも大きな魅力です。
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■ 現場で感じる課題とサポートの必要性

① 日本語の壁

もっとも大きな課題は、やはり「日本語の壁」です。
利用者との会話や記録の書き方、医療・介護用語など、慣れるまでに時間がかかります。
特に認知症ケアでは微妙な言葉のニュアンスが重要になるため、周囲のフォローが欠かせません。

② 文化や習慣の違い

たとえば「敬語の使い方」「目上の人への接し方」「距離感」など、日本特有の文化に戸惑うケースもあります。
指導する側も「日本の常識」を押しつけすぎず、柔軟に受け止める姿勢が必要です。

③ 教える側の負担

外国人スタッフを育てるには、時間と労力がかかります。
しかし、しっかり指導すれば非常に真面目で成長も早い。
「最初は不安だったけど、今では一番信頼している」という声も珍しくありません。

④ 職場全体での意識共有

受け入れは「上司や教育担当だけの仕事」ではなく、チーム全体で行う必要があります。
挨拶や声かけ、文化理解を日常的に行うことで、職場全体が優しい雰囲気になります。


■ 現役介護主任の実感:外国人スタッフが現場に根づく瞬間

私の勤務する特養でも、ここ数年で外国人スタッフが3名から10名に増えました。
最初は利用者さんも「何を言ってるか分からない」「怖い」といった反応もありましたが、半年も経つと驚くほど関係が変わります。

特に印象に残っているのが、あるベトナム出身の職員。
入職当初は日本語がたどたどしく、記録にも苦戦していましたが、毎日メモを取りながら努力し、今では夜勤リーダーを任せられるまでに成長しました。
利用者さんからも「優しい」「丁寧」と評判です。

現場では「教える側の姿勢」が非常に大切です。
叱るよりも、褒めて認めて、できることを増やしていく。
それが結果的に職場全体の定着率を上げることにもつながります。


■ 外国人介護士と共に働く未来

これからの介護現場は、外国人なしでは成り立たない時代になるでしょう。
しかし、彼らは「労働力」ではなく「チームの一員」です。
文化や言葉の壁を乗り越えれば、私たち日本人職員も多くのことを学べます。

介護は「人と人」が関わる仕事。
国籍に関係なく、利用者さんの生活を支える気持ちがあれば、同じ方向を向いて働けると実感しています。


■ まとめ

外国人介護士が増えているのは、人手不足に対応するためであり、EPA・技能実習・特定技能といった制度が背景にあります。
現場では、彼らの真面目さとやる気が大きな支えとなる一方で、言語や文化の違いによる課題もあります。
それでも、互いに理解し合いながら働くことで、介護の質は確実に向上します。

今後は、「外国人が働きやすい職場」をつくることが、日本の介護の未来を支える大きなカギになるでしょう。

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