中核症状:理解・判断力の低下とは?家族が知っておきたい対応方法

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中核症状:理解・判断力の低下とは?家族が知っておきたい対応の工夫

こんにちは、介護主任のみしょです。
認知症の中核症状のひとつに「理解・判断力の低下」があります。
これは単なる物忘れとは異なり、「考える」「判断する」といった力そのものが弱まっていく症状です。

この症状が進むと、説明をしても伝わらない、日常のちょっとした判断が難しくなるなど、家族にとっても接し方が難しくなる場面が増えていきます。
ですが、理解力や判断力が落ちているからといって、本人が何も感じていないわけではありません。
むしろうまく理解できないことで、不安や混乱を感じていることが多いのです。

この記事では、介護主任として現場で多くの方と関わってきた経験をもとに、
「理解・判断力の低下」がどのように現れるのか、そして家族ができる関わり方・環境づくりについて詳しく解説します。


理解・判断力の低下とは?

理解・判断力の低下とは、簡単に言うと「考えて行動する力が落ちていく」状態を指します。
これは一時的な物忘れではなく、脳の情報処理や判断そのものが難しくなっていく状態です。

例えば次のような変化が見られるようになります。

  • 説明を聞いても理解が追いつかず、同じ質問を繰り返す
  • お金の計算ができなくなる(お釣りの受け取り方が分からないなど)
  • 調理や買い物、薬の管理など「段取り」ができなくなる
  • 火を使ったり外出したりするときに危険な判断をしてしまう
  • 気温や天気に合わない服装を選んでしまう

これらは単に「忘れた」というよりも、情報を理解して判断する力自体が低下しているサインです。
そのため、どれだけ丁寧に説明しても伝わらなかったり、「わかってくれない」と家族が感じてしまうことも多いでしょう。


なぜ起こるのか?

理解・判断力の低下は、脳の中でも前頭葉・側頭葉・頭頂葉といった「考える・判断する」部分の機能が低下することで起こります。
特に多いのは以下の2つのタイプです。

① アルツハイマー型認知症

記憶を司る海馬や側頭葉が障害を受けることで、情報を理解・整理できなくなります。
その結果、日常の出来事を「意味づけ」できず、状況判断が難しくなるのです。

② 血管性認知症

脳梗塞などで脳の一部がダメージを受けることによって、部分的に判断力が低下します。
特に「段取りを組む」「優先順位を決める」といった思考力の低下が見られます。

どちらのタイプも共通して言えるのは、「努力や根性で回復するものではない」ということ。
つまり、本人が悪いわけではなく、脳の機能障害による自然な変化なのです。


家族ができる対応の工夫

理解・判断力の低下がある方に、無理に考えさせたり何度も説明しても、かえって混乱や不安を招いてしまいます。
そこで重要なのは、「理解させること」よりも「安心して過ごせるようにすること」です。

① 説明は短く、具体的に

「あとで」「そのうち」「いい感じにしておいて」などの曖昧な表現は避けましょう。
具体的に伝えることで、本人が理解しやすくなります。
例:
「あと5分でご飯ですよ」
「靴を履いて、外に行きましょう」

② 選択肢は少なく、シンプルに

理解力が低下していると、たくさんの選択肢から選ぶことが難しくなります。
「どれがいい?」ではなく、「青と赤、どっちにする?」と2択にするだけで、本人の負担は大きく減ります。

③ 環境を整える

判断に迷いやすい人にとって、環境の整備はとても大切です。

  • 薬は曜日ごとに仕切られたピルケースで管理
  • 服は季節に合ったものだけをクローゼットに
  • 買い物や外出はできるだけ付き添う

「できないことを減らす工夫」よりも、「失敗しにくい環境を整えること」がポイントです。

④ 安心できる声かけを

理解できない状況に置かれている本人は、とても不安です。
そんなときこそ、家族が「大丈夫ですよ」「一緒にやりましょう」と落ち着いた声で伝えることが安心につながります。

怒ったり、説得しようとするのではなく、共感の姿勢が何より大切です。



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現場でよくあるケースと対応例

ケース①:買い物でお金がわからない

「500円玉を出したけど足りなかった」「千円札を何枚も出してしまう」など、金銭管理は最初に難しくなる部分です。
対応としては、小銭を減らす・支払いは家族が付き添う・電子マネーを活用するなどが効果的です。

ケース②:料理中に火をつけっぱなしにする

判断力の低下により、「火を止める」「タイマーを使う」といった段取りが抜け落ちることがあります。
火を使う調理をやめ、電子レンジや電気調理器など安全な器具に切り替えることをおすすめします。

ケース③:服装が季節に合わない

理解力が落ちると「寒い」「暑い」の判断もうまくできません。
家族が「今日は寒いからこの服にしようね」と声をかけ、一緒に準備するのが安心です。

ケース④:予定や約束を忘れて混乱する

理解力の低下は「時間の感覚」にも影響します。
予定はカレンダーやホワイトボードに大きく書き、「今日」「明日」がわかる工夫をしておくと良いでしょう。




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家族が意識したい3つのポイント

  • ① 理解・判断力の低下は病気によるもので、本人のせいではない
    「なんでわからないの?」と責めず、病気として受け止めることが第一歩です。
  • ② 叱る・説得するよりも、環境と関わり方を整える
    できないことを補う仕組みをつくることで、本人も家族もストレスを減らせます。
  • ③ 家族だけで抱え込まない
    介護サービスや地域包括支援センターに相談すれば、サポートを受けられます。

理解・判断力が低下しても、本人の感情やプライドはしっかり残っています。
その気持ちを大切にしながら、安心して生活できる環境を整えていきましょう。


まとめ

  • 理解・判断力の低下は「考える力」そのものの障害
  • 説明は短く・具体的に、選択肢は少なく
  • 安心できる環境づくりと声かけが重要
  • 家族だけで無理せず、専門職やサービスを活用する

介護現場でもよく感じるのは、「理解できなくても、感じ取る力は残っている」ということです。
穏やかな声かけや、笑顔、手を握ること――そうした小さな関わりが、本人の安心につながります。

焦らず、一緒に歩む姿勢が何より大切です。

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