現場で見た“介護崩壊”の瞬間

● 介護職のリアル・転職事情

現場で見た“介護崩壊”の瞬間

特別養護老人ホーム 介護主任の私が伝えたいこと


目次


はじめに

介護崩壊」――これは決してテレビやニュースの中だけの話ではありません。
私は特別養護老人ホームで介護主任として働く中で、何度も“崩壊の瞬間”を目の当たりにしてきました。

ご高齢のお母さんを支えるつもりで始めた介護。
けれど、気づけば家族全員が疲弊し、関係まで壊れてしまう
そうなってしまう前に、ぜひ知っておいてほしい現場のリアルをお話しします。


一番印象に残っている「崩壊の瞬間」

ある日入所されたご高齢のお母さん。
娘さんがずっと自宅で介護をしていましたが、来所時には疲れ果てた表情でこう話しました。

「夜中も起こされて寝られないんです。ごはんも食べてくれなくて…もうどうしていいか分からなくて…」

介護が始まった当初は、「私が何とかする」と強い気持ちを持っていたそうです。
けれど、昼夜問わず続く介護、仕事との両立、周囲からの理解不足…。
次第に心も体もすり減り、最終的には限界を超えてしまったのです。


介護崩壊のサインとは?

現場で見ていて「このままでは危ないな」と感じるご家族には、共通のサインがあります。

  • イライラが増え、表情が固くなる
  • 施設職員への相談や連絡が極端に減る
  • 「もう全部任せます」と丸投げになる
  • 面会に来ても、会話が噛み合わない

これは責めるために書いているのではありません。
それだけ、介護は人を追い詰める力を持っているということです。


正直、介護は「楽しいことばかり」じゃない

よく「介護って大変でしょう?」と聞かれます。
正直に言うと、嬉しいことややりがいを感じる瞬間もたくさんあります。
でも、それ以上に辛いことの方が多いのも、また事実です。

家族だからこそ感情的になったり、
「もっと頑張らないと」と自分を追い詰めてしまったり
介護が原因で家族関係がギクシャクするのも、珍しい話ではありません。


私が伝えたいのは「一人で抱え込まないで」ということ

介護崩壊は、「介護の知識がないから」ではありません。
“頼れる人がいない”“頼っちゃいけない”と思ってしまうから起きるのだと感じています。

地域には、

  • ケアマネジャー
  • デイサービス
  • ショートステイ

など、一時的に介護の手を離す方法がいくつもあります。
介護保険をうまく活用すれば、負担を分散できるのです。


最後に

私はこう伝えたいです。

まずは、いろんな施設に見学に行ってみてください。
そして、「いざという時に頼れる場所」を作っておくことをお勧めします。

家族にしかできないこともあれば、
施設だからこそできることもあります。

定期的に面会に来ていただけると、
本人の安心感にもつながりますし、
ご家族にとっても「支えている実感」が持てるはずです。

介護は一人で抱え込まず、周囲とつながりながら進めていくもの。
そんな風に思ってもらえたら嬉しいです。


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