目次
- はじめに
- 介護保険の自己負担ってどういうもの?
- 自己負担割合はなぜ人によって違うの?
- 【具体例】1割・2割・3割の違い
- 自分(家族)の負担割合はどうやって決まる?
- 確認方法と注意点
- まとめ:損をしないために知っておくべきこと
- よくある質問(Q&A)
1. はじめに
「介護保険って自己負担が1割なんでしょ?」と考えている方は多いです。実際、制度が始まった当初はほとんどの人が1割負担でした。しかし現在では、利用を始めてみると「うちは2割負担なんですね」と説明を受けて驚くご家族も少なくありません。
介護は長期にわたることが多く、負担割合の違いは年間で数十万円単位の差になることもあります。そこで今回は、介護保険の自己負担割合がなぜ人によって違うのか、その仕組みや決まり方、そして確認方法までを、現場での経験も交えながらわかりやすく解説します。
2. 介護保険の自己負担ってどういうもの?
介護保険サービスを利用する際、利用者が全額を負担するわけではありません。費用の大部分は国・自治体・加入者全体の保険料で賄われ、利用者はその一部だけを支払います。これが「自己負担」です。
原則は1割負担とされていますが、これはあくまで基準。実際には収入によって負担割合が変動する仕組みになっています。
例えば、デイサービスに1回6,000円のサービスを利用した場合、1割負担なら600円の支払いで済みます。しかし同じサービスでも2割なら1,200円、3割なら1,800円となり、利用回数が増えるほど家計への影響は大きくなります。
つまり「自己負担割合」は、介護を続ける上で非常に重要なポイントなのです。
3. 自己負担割合はなぜ人によって違うの?
自己負担割合は収入状況によって決まります。介護保険制度は「応能負担」という考え方に基づいており、収入の少ない方にはできるだけ負担を軽く、収入の多い方には相応の負担をお願いする仕組みです。
- 低所得の方 → 1割負担
- 中程度の所得 → 2割負担
- 比較的高所得 → 3割負担
これは一見すると不公平に感じる方もいますが、「支え合い」の考えに基づく制度であり、全体で介護を維持するための仕組みです。医療保険の仕組みと似ていますが、介護保険は独自の基準で判断される点に注意が必要です。
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4. 【具体例】1割・2割・3割の違い
例えば、訪問介護で1回5,000円のサービスを利用したとしましょう。自己負担割合によって利用者の支払額は次のように変わります。
| 負担割合 | 利用者の支払額 |
|---|---|
| 1割負担 | 500円 |
| 2割負担 | 1,000円 |
| 3割負担 | 1,500円 |
月に20回利用した場合、1割負担なら1万円ですが、3割負担では3万円。年間にすると差額は24万円にもなります。こうした違いが、実際の生活に直結するのです。
5. 自分(家族)の負担割合はどうやって決まる?
負担割合は「介護保険負担割合証」という書類に記載されます。毎年7月頃に更新されて郵送されるため、必ず確認が必要です。
この証書を見れば、1年間の負担割合が一目でわかります。
判定基準の目安は以下の通りです(実際の金額は年度によって変動あり)。
- 1割負担:住民税非課税世帯、収入が少ない高齢者
- 2割負担:収入合計が概ね280万円超
- 3割負担:単身で340万円超、夫婦で463万円超など
つまり年金だけで暮らしている方はほとんどが1割ですが、厚生年金が高い方や年金以外の収入がある方は2割や3割になるケースが増えています。
6. 確認方法と注意点
確認方法
- 「介護保険負担割合証」をチェック
- 市区町村の介護保険課に問い合わせ
- ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談
注意点
- 判定対象は本人と配偶者の所得。子ども世帯の収入は関係ありません。
- 医療保険の負担割合とは連動しません。
- 年収の変動があると翌年度から割合が変わることがあります。
7. まとめ:損をしないために知っておくべきこと
介護保険の自己負担割合は、1割から3割まであり、収入状況によって決まります。
「思っていたより請求額が多い!」とならないためにも、毎年届く負担割合証を必ず確認し、家族で共有しておくことが大切です。
また、制度は改正されることもあるため、最新情報を常に把握することも忘れないようにしましょう。
8. よくある質問(Q&A)
Q1. 母は年金だけですが、2割負担になることはありますか?
通常の年金収入だけであれば1割負担になることが多いです。ただし、厚生年金額が多い場合や配偶者の収入が一定以上ある場合には2割負担になる可能性もあります。必ず負担割合証で確認してください。
Q2. 途中で負担割合が変わることはありますか?
はい、あります。例えば退職や収入減少で年収が下がった場合は、翌年度の判定で1割に戻ることがあります。逆に年金以外の収入が増えれば2割や3割に上がることもあります。
Q3. 医療保険が3割負担でも、介護保険も3割になるんですか?
いいえ。医療保険の自己負担割合と介護保険の割合は別々に判定されます。医療で3割でも介護は1割ということも珍しくありません。


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