有料老人ホームと特養、どっちがいい?

● 施設の選び方・比較

有料老人ホームと特養、どっちがいい?
メリット・デメリット比較

こんにちは、介護主任のみしょです。
「親の介護、そろそろ施設も考えたほうがいいのかな…」
そんなとき、多くのご家族が迷うのが 「有料老人ホーム」「特別養護老人ホーム(特養)」です。

どちらも高齢者の暮らしを支える施設ですが、実際に現場を見ていると「似ているようでまったく違う」というのが本音です。
制度の成り立ち、入居条件、費用、サービスの幅、医療対応など、知っておくべきポイントがたくさんあります。
今回はそれぞれの特徴・費用・メリットデメリットを整理し、さらに私自身の現場経験を交えながら「どんな人に向いているのか」を詳しく解説します。


有料老人ホームと特養の基本的な違い

特別養護老人ホーム(特養)は、介護保険制度に基づいた公的な施設です。
対象は原則「要介護3以上」で、身体介助が常に必要な方に向けて設計されています。
費用が安く抑えられるのが最大のメリットですが、入居希望者が多いため数百人単位の待機者がいる地域もあります。

一方で有料老人ホームは、民間企業が運営する施設です。
要介護度に関わらず受け入れている場合があり、比較的すぐに入居できるのが魅力です。
ホテルのような居住空間や、豊富なレクリエーション、手厚いサービスを提供するところもありますが、その分費用は高額になります。

簡単にまとめると、「特養=費用重視」「有料=サービス重視」という傾向があると言えるでしょう。


費用面の比較と家計への影響

施設を検討するとき、もっとも大きな関心事はやはり費用です。
現場での相談でも「特養に入りたいけど待機が長い」「有料は高すぎる」といった声を本当に多く耳にします。

項目 特養 有料老人ホーム
入居一時金 不要 0~数百万円(施設による)
月額費用 約5~15万円 約15~30万円以上
介護費用 介護保険の自己負担分のみ 施設ごとに異なる
医療連携 簡易的な処置まで 医療機関併設や看取り対応可能な施設もあり

特養は低コストで長期入居がしやすいのが大きな魅力です。生活保護を受給していても入居できるのは、公的施設ならではの安心感といえます。
一方、有料老人ホームは入居金+月額費用がかかるため、長期間利用するなら相応の資金計画が必要です。

実際に私の現場でも、「特養に申し込みをしたけど、待っている間に在宅介護が限界になり、有料老人ホームへ一時的に入居する」というケースが珍しくありません。
つまり、両者は単純に「どちらがいいか」という比較ではなく、資金力とタイミング次第で両方を使い分けるというのが現実的です。


特養のメリット・デメリット

メリット

  • 費用が安い(公的補助が大きい)
  • 介護サービスが標準的に手厚い
  • 生活保護受給者も入居可能
  • 長期的に安定して暮らせる

デメリット

  • 入居待機が長い(数年待ちも)
  • 医療的ケアの範囲が限定的
  • 設備やサービスはシンプルで豪華さはない

特養は「生活の基盤を整える」点では非常に優秀ですが、「楽しく暮らす」視点では物足りなさを感じるご家族もいます。
現場でも「もっとレクリエーションがあれば…」という声はよく聞きます。


有料老人ホームのメリット・デメリット

メリット

  • すぐに入居できるケースが多い
  • サービスや設備が豊富(豪華な食事・イベントなど)
  • 要介護1~2の方でも入所可能
  • 看取り対応可能な施設もある

デメリット

  • 費用が高い
  • 介護の質にバラつきがある(運営次第)
  • 入居一時金が高額な場合がある

「お金で安心を買う」イメージに近いのが有料老人ホームです。
ただし、料金が高いからといって必ずしも介護の質が高いとは限りません。
現場で働いていても「立派な建物だけど介護の中身はイマイチ」という施設を見たことがあります。


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どちらが向いている?ケース別の選び方

現場でよくあるご相談をもとに、ケースごとに向いている施設を整理します。

▼特養が向いている方

  • 要介護3以上で長期的な介護が必要
  • 経済的負担を抑えたい
  • 入居まで待てる余裕がある

▼有料老人ホームが向いている方

  • できるだけ早く入居したい(在宅介護が限界)
  • 充実したサービスや設備を希望
  • 要介護1~2の段階から入所を検討している
  • 最期まで同じ場所で暮らしたい

実際には「特養に申し込みしながら、有料老人ホームに短期的に入居する」ケースが多いです。
家族の介護負担を減らすためにも、柔軟に考えることが大切です。


現場から見たリアルな事例

私の施設でも「特養を希望していたけど数年待ち」というケースが何件もあります。
その間に在宅介護で疲弊してしまい、家族関係が悪化することもありました。
逆に、有料老人ホームに一時的に入居することで「安心して待てた」というご家族もいました。

重要なのは「完璧な選択肢は存在しない」ということです。
特養も有料も、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、状況に応じて最適な選択をしていくことが求められます。


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まとめ:家族が納得できる選択を

「特養がいいのか」「有料老人ホームがいいのか」――これはご本人の状態や家族の事情によって答えが変わります。
経済力、介護の必要度、入居までの時間、そして「どんな暮らしを望むか」。すべてを踏まえて考える必要があります。

大切なのは「家族全員が納得できる選択をすること」です。
後悔のない決断をするために、ぜひこの記事を参考にしてください。
現役の介護主任として、今後も皆さんの役に立つ情報を発信していきます。

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