現場で見た“介護崩壊”の瞬間
〜理想だけでは乗り越えられなかった現場のリアル〜
■ はじめに
「介護の仕事をしよう」
――そう決めた高校生の私は、正直言って、介護に熱い想いがあったわけじゃありません。
高校は土木科。卒業後は現場仕事に進む予定でした。
でもある日、友達に「一緒に介護の専門学校に行かん?」と誘われたんです。
何となく流れに乗って受験したその専門学校。
私だけが合格して、誘ってくれた友達は落ちてしまいました。
まさかその選択が、人生を大きく変えるとは思ってもいませんでした。
――あれから約20年。
今ではその友達も、別の専門学校を経て、立派な施設の管理者になっています。
私は今も、現場にいます。
今回は、そんな私がこの20年の中で忘れられない
「現場が崩れた瞬間」についてお話しします。
■ 介護の現場は、想像以上に“繊細”だった
介護の現場って、外から見ると“のんびりしてそう”に見えるかもしれません。
でも実際は、人と人とが密接に関わり合う仕事。
1つ歯車が狂うと、全部が一気に崩れるくらい、繊細なバランスで成り立っています。
私が経験した“崩壊”の始まりも、ほんの些細なことでした。
・人員不足が慢性化
・上司が現場に関わらない
・ベテランが無理を重ねて、若手がどんどん辞めていく
・愚痴と溜息が日常会話になる
「なんか最近、空気が重いね」
そう口に出したときには、もう遅かったのかもしれません。
■ 「もう、無理です」—— 職員の心が折れた日
ある日、夜勤明けの職員がナースコール室で泣いていました。
「もう、誰にも優しくできない…」
「何のためにこの仕事してるのか、わからなくなった」
「でも私が抜けたら、現場がもっと大変になるのは分かってる…」
私は言葉が出ませんでした。
それくらい、みんなギリギリだったんです。
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そして数日後、ついに一人が出勤してこなくなりました。
■ 崩壊の連鎖が始まった
その欠勤をきっかけに、現場のバランスは一気に崩れました。
・シフトがまわらない
・休憩すらまともに取れない
・転倒事故が増え、報告書も山積み
・利用者さんへの対応が“業務的”になり、クレームが発生
職員は、毎日「今日を乗り切るだけ」で精一杯。
気づけば、「介護」ではなく「作業」になっていました。
あの頃の現場には、笑顔も感謝も、もうなかった。
■ 立て直すのに必要だった“たったひとつのこと”
現場を立て直すために、私は考えました。
「制度やルールを変える前に、まず“気持ち”を取り戻さなきゃいけない」
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そこから始めたのは、ほんの些細なことでした。
・一人ひとりに「ありがとう」を言う
・困ってそうな人に「大丈夫?」と声をかける
・ミスを責めるのではなく、「一緒にどうする?」と話す
・上も下もなく、“チーム”として動く
時間はかかりました。でも、少しずつ、現場は変わっていきました。
「また、がんばってみようかな」
そう言ったあの夜勤明けの職員の言葉が、何より嬉しかったです。
■ おわりに:壊れたからこそ、見えたもの
介護の現場が壊れる瞬間は、本当にあっけないです。
でも、立て直すには、何倍もの時間と“人の想い”が必要なんです。
私はあの経験があったからこそ、今でも現場に立ち続けています。
「誰かが限界を迎える前に気づく」
「声にならないSOSに耳を澄ます」
それが、今の私にできる“本当の仕事”だと思っています。
この記事が、もし今どこかで
「もう無理かも…」と感じている介護職の方の、小さなヒントや励ましになれば嬉しいです。
私も頑張ってます。
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