要支援と要介護、何が違うの?
初心者向け|使えるサービスの違いと将来の見通しを解説

● 介護の始め方

要支援と要介護の違いを徹底解説|現役介護主任が語るリアルと支援の選び方

こんにちは、介護歴20年・現役の介護主任をしているみしょです。
介護の現場では「要支援」と「要介護」という言葉が日常的に飛び交いますが、初めて介護に直面するご家族にとってはとてもわかりにくいものです。
「要支援って軽い介護?」「要介護と何が違うの?」「どんなサービスが受けられるの?」
この記事では、私がこれまで多くの利用者さん・ご家族と関わってきた経験をもとに、要支援と要介護の違い・受けられるサービス・制度の上手な使い分け を徹底的に解説します。


■ 要支援と要介護の基本的な違い

介護保険制度では、介護が必要な度合いを「要介護認定」で判定します。
申請すると認定調査と主治医意見書の結果をもとに「要支援1・2」「要介護1〜5」のいずれかに区分されます。

  • 要支援:自立はしているが、一部に生活支援が必要な状態
  • 要介護:日常生活全般において介助が必要な状態

つまり、「まだ自立度が高いか」それとも「生活全般に介助が必要か」 が大きな分かれ目です。

◆ 要支援の特徴

  • 要支援1:身の回りはおおむね自立しているが、一部で支援が必要
  • 要支援2:日常生活の複数場面で支援が必要だが、全面的な介護は不要

◆ 要介護の特徴

  • 要介護1:基本的には自立しているが、食事や排泄など部分的に介助が必要
  • 要介護3:歩行・排泄・入浴など生活動作の多くに介助が必要
  • 要介護5:常に全面的な介助が必要で、家族の負担が非常に大きい

現場では「同じ要介護1でも、在宅で生活できる人もいれば施設が望ましい人もいる」など、実際の状態は人によって大きく異なります。認定区分はあくまで目安であり、サービス調整のスタートラインと考えることが大切です。


■ 要支援の人が利用できるサービス

要支援に認定された方は「介護予防サービス」を利用できます。目的は「できることを維持し、できれば改善して、要介護に進まないようにすること」です。

  • 訪問介護(生活援助:掃除や買い物のサポート)
  • 通所リハビリ(デイケア:運動機能訓練・作業療法など)
  • 配食サービスの活用(栄養改善・見守り)
  • 地域包括支援センターによるケアマネジメント

現場でよくあるのは「買い物や掃除がつらくなったが、本人はまだ自立心が強い」というケース。そういうときに生活援助が入ると、本人の負担が減るだけでなく、ご家族の安心感もぐっと高まります。


■ 要介護の人が利用できるサービス

要介護に認定されると「介護サービス」を幅広く利用できます。支援の中心は「生活の維持」から「生活を支える介助」へシフトします。

  • 訪問介護(身体介護:入浴・排泄・食事介助など)
  • デイサービス(入浴や機能訓練、レクリエーション)
  • ショートステイ(介護者の休養や緊急時に利用可能)
  • 訪問看護(医療的ケアを伴うケースに対応)
  • 施設入居(特養、介護付き有料老人ホームなど)

特に「在宅でどこまで介護できるか」「施設を検討すべきか」という判断は、ご家族にとって大きな分岐点です。
実際、私が関わったご家庭でも「最初は在宅で頑張ったけど、夜間の介護が続き心身ともに限界になり施設へ」という事例が数多くあります。

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■ 要支援から要介護に移行するケース

要支援から要介護へ進行することは珍しくありません。きっかけとして多いのは以下のようなケースです。

  • 転倒による骨折で入院 → 退院後に歩行が困難になり要介護認定へ
  • 認知症の進行 → 炊事や服薬管理が難しくなり、生活全般に支援が必要に
  • 慢性疾患の悪化(心疾患・糖尿病など) → 体力低下で日常生活に介助が必要に

私の現場でも「元気だったのに、たった1回の転倒で要介護3になった」という方を数多く見てきました。
だからこそ、要支援の段階で生活を整えることが、介護の重度化を防ぐ一番のポイント になります。


■ 要支援→要介護にならないためにできること

介護状態の進行を遅らせるには、ご本人とご家族の両方の取り組みが大切です。

  • 毎日の散歩や体操など、無理のない運動習慣を継続する
  • 低栄養にならないよう、たんぱく質を意識した食事を摂る
  • 趣味やデイサービスを通じて「社会参加」を維持する
  • 家族も介護知識を学び、無理のないサポート体制をつくる

特に「介護の知識を学ぶこと」は、家族にとっての大きな武器になります。介護制度の活用法や負担を減らす工夫を知るだけで、日々の生活がまったく違ってくるのです。

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■ 要支援と要介護の違いまとめ

要支援は「まだ自立度が高い人向け」、要介護は「生活全般に介助が必要な人向け」という違いがあります。
大切なのは「制度を早めに理解し、必要なサービスを上手に使うこと」。そして、要支援の段階で生活習慣や予防策を整え、できるだけ要介護に進まないようにすることです。
ご家族にとっても「介護を抱え込まない」工夫が不可欠です。

現場で培った経験をもとにまとめましたが、この記事が介護を考えるすべての方の助けになれば幸いです。

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