認知症でも介護保険が使えない?
現場でよくある「制度の落とし穴」と、今すぐできる対策
こんにちは、介護歴20年・現役の介護主任みしょです。
「認知症って診断されたから、介護保険のサービスがすぐ使えるんですよね?」
そう思って市役所に行ったご家族が、「非該当(=使えません)」と告げられ、驚かれるケースは少なくありません。
実は、認知症という診断だけでは介護保険は自動的に使えません。
この記事では、現場でよくある“介護保険が使えない認知症ケース”と、その理由、そして今すぐ取れる対策をくわしく解説します。
■ 「認知症=介護保険が使える」は誤解です
まず知っておいてほしいのは、介護保険は「状態」に対して出るということ。
診断名(病名)ではなく、「どの程度、日常生活に支援が必要か」で判断されます。
つまり、医師が「軽度の認知症」と診断しても、調査で「身の回りのことは自分でできる」と見なされれば、非該当(=サービス利用不可)となることもあります。
現場ではこの誤解が非常に多く、「診断が出たのに使えない」と混乱されるご家族がたくさんおられます。
■ ケース1:初期の認知症で“生活の困りごと”が目立たない
たとえば次のようなケースです。
- 物忘れはあるけど、食事やトイレは自分でできる
- 多少の勘違いはあるけど、会話も普通にできる
- 買い物や外出も一人でこなしている
このような方は、「まだ自立している」と判断され、要介護認定が出にくい傾向があります。
調査員も、「どの程度、生活に支障があるか」を見て判断するため、初期症状だけでは支援が必要と見なされにくいのです。
しかし、家族から見ると、「財布をなくす」「同じ話を何度もする」など明らかな変化があることも。
そのような場合は、医師の意見書に生活面での変化をしっかり書いてもらうことが重要です。
■ ケース2:身体が元気すぎて「介護が必要ない」と判断される
認知症が進んでいても、身体が健康だと介護度が低く出ることがあります。
- 徘徊はあるけど、歩行はスムーズ
- トイレも食事も自立している
- 身体的な介助が必要ない
こうした方は、介護度の基準上「介助が少ない」とみなされ、サービスが限定されてしまいます。
現場では“見守り”のような支援が必要でも、制度上の点数には反映されにくいのが実情です。
このようなケースでは、地域の支援制度(後述)や認知症サポートチームをうまく活用しましょう。
■ ケース3:本人が申請を拒否している
「うちはまだそんな年寄り扱いされたくない!」
「介護保険なんていらない!」
こうした理由で、本人が申請を拒むケースもあります。
ただし、家族が代理で申請することは可能です。
とはいえ、実際の訪問調査で本人が元気に振る舞ってしまうと、“問題なし”と判断されるリスクがあります。
そのため、日頃の困りごとをメモしておくことが大切です。
「財布を隠す」「料理を焦がす」「夜に出歩く」など、具体的なエピソードを調査時に伝えることで、正確な判断につながります。
■ ケース4:家族が制度を知らず、そもそも申請していない
これは意外と多いパターンです。
「介護保険って勝手に適用されるんじゃないの?」という誤解から、申請をしていない家庭もあります。
介護保険は本人または家族の申請がない限り、制度が動きません。
まずはお住まいの市区町村の「地域包括支援センター」に相談してみましょう。
制度の説明から、申請書の書き方、主治医への依頼方法まで丁寧に教えてもらえます。
✔ 自宅介護か施設か迷っている方へ
【【エキサイトお悩み相談室】
】では、介護施設の比較・資料請求が無料でできます。
認知症対応型のホームや費用相場を、わかりやすく比較できます。
■ それでも支援を受けるには?使える制度まとめ
介護保険が使えなくても、以下のような支援を受けられる場合があります。
- 地域支援事業:軽度の人向けに、市町村が行う生活支援サービス。
- 認知症初期集中支援チーム:医療・福祉の専門職が自宅を訪問してサポート。
- 成年後見制度:判断力が不十分な方の金銭管理や契約を支援。
- 地域包括支援センター:制度の窓口として、すべての相談を一本化。
また、「一度は非該当だったけど、状態が変わった」という場合、再申請も可能です。
特に、症状が進行したり、日常生活に支障が出てきた場合は、早めに再チャレンジを。
■ ケアマネジャーに早めに相談を
要介護認定の前段階でも、地域包括支援センターを通じてケアマネジャーに相談できます。
必要であれば、認知症サポート医や医療機関と連携してくれることもあります。
実際に現場で見ていると、「早めに動いた人」ほど、制度をうまく活用しています。
「まだ大丈夫」と思っても、相談だけは早めにしておくのがおすすめです。
✔ 介護の知識を深めたい方へ
無料で資格を取りながら働ける【かいご畑
】。
介護職未経験でも安心のサポート体制で、全国の求人を紹介しています。
■ まとめ|「困っているのに使えない」を防ぐために
- 認知症だからといって、必ず介護保険が使えるとは限らない
- 初期症状・元気なタイプの方ほど非該当になりやすい
- まずは地域包括支援センターへ相談することが最優先
- 困りごとは記録し、再申請や医師意見書に反映させよう
制度の仕組みを知っておくだけで、「いざというとき」に慌てずに済みます。
認知症の進行は人それぞれ。早めの相談・情報収集こそが、ご家族の安心につながります。
――介護の現場から見えるリアルな実情を、今後も発信していきます。
次回もどうぞお楽しみに。


コメント