要介護認定の流れをわかりやすく解説!【介護保険の申請手続き】

● 介護の始め方

要介護認定の流れを徹底解説|現場の介護主任が教える申請から利用開始まで

介護が必要だと感じたとき、最初に行うべきは「要介護認定」の申請です。
しかし、認定の流れや手続きが複雑で、「何をどう進めたらいいのかわからない」「時間がかかりすぎて不安になる」という声も多く聞きます。
この記事では、介護現場で日々関わっている介護主任の視点から、要介護認定の申請~認定~サービス開始までをわかりやすく解説し、スムーズに進めるための注意点や実践的なコツを余すところなくお伝えします。


1. 申請の準備をする:まず揃えるべき書類と情報

要介護認定を申請するには、まず住んでいる市区町村の介護保険担当窓口(介護保険課・高齢福祉課など)に申請書を提出します。
その前に、以下のような書類や情報を準備しておくと手続きが滞りなく進みます。

【必要なもの】

  • 申請書(市区町村で配布、または自治体HPからダウンロード可)
  • 申請者(介護を受ける本人)の本人確認書類(健康保険証、住民票など)
  • 印鑑(申請書に押印が必要な自治体も)
  • 介護が必要だと感じる症状・状況の記録(例:現在の介助状況、通院歴、既往症)
  • 医師の診断書(自治体によっては提出必須または任意)

申請書は窓口でもらえるほか、多くの自治体ではウェブサイト上で提供しており、事前に記入して持参することで窓口での手間が軽減できます。
また、本人だけでなく家族からの情報提供も大切です。「いつから不自由さを感じ始めたか」「どの時間帯に動きにくさが出るか」など、日常の具体的な記録が調査時の判断材料になります。


2. 市役所で申請手続きを行う:申請から訪問調査の準備まで

書類が揃ったら、市区町村の介護保険担当窓口に提出します。窓口では申請内容の確認や健康状況・認知機能に関する簡単な質問をされることがありますが、大抵は申請書類をチェックする程度です。

申請書提出後、自治体は介護認定調査員による訪問調査を手配します。この訪問調査は、要介護度を決定するための重要なステップです。訪問日程は自治体から指定され、本人および家族が立ち会うことが原則です。

調査日までに気をつけておくべき点:
・調査員が来る時間帯に体調を整えておく
・いつも利用している生活補助具(杖、歩行器、眼鏡など)を用意しておく
・普段の介護状況を親族や介護者で共有し、聞かれたときに説明できるようにまとめておく


3. 認定調査が行われる:見られるポイントと対策

認定調査では、調査員が本人宅を訪問して日常生活状況を細かく確認します。普段の状態を偽らず、自然体でいることが重要です。

調査のチェック項目には、次のようなものが含まれます。

  • 食事、入浴、排せつなどの日常生活動作(ADL)の自立度
  • 移動や歩行能力、立ち上がり・座る動作
  • 認知機能・判断力・記憶力・見当識など
  • 複数のタスクを同時に行う能力(たとえば、話しながら動くなど)
  • 呼吸、病気やケガの状態、服薬管理、視覚・聴覚などの身体状況

また、調査員は日常の様子(居室の片付け具合、トイレや浴室の使いやすさ、動線の障害など)にも目を向けています。普段から家の中を整理整頓し、安全な環境を保っておくことが間接的な評価につながることもあります。

なお、認定調査だけで介護度が決まるわけではなく、医師による意見書・過去の診療記録・既往歴なども参考資料となります。調査とは別途に医療資料を提出できる自治体もあるので、かかりつけ医に意見書を依頼することも検討しておきましょう。


4. 審査と結果通知:要支援・要介護の判定を待つ期間

認定調査後、自治体の審査会にて審査が行われます。要支援1〜2、要介護1〜5の7区分で判定され、その結果が書面で通知されます。

判定には平均して30日程度かかることが一般的です。ただし、申請が集中する月や自治体の事情により、通知はさらに遅れることもあります。通知をもとに、今後利用する介護サービスの枠が決定します。

通知を受け取ったらまず確認すべきこと:
・申請した介護度と実際に認定された介護度の違い
・認定期間(通常は1~3年)
・利用可能なサービス種類と上限額
・減額や不服申し立ての方法(異議申立制度)


5. 介護サービス利用開始:ケアプランの作成と提供事業所の決定

認定結果が出たら、ケアマネジャーがその介護度と本人・家族の希望をもとにケアプラン(介護計画)を作成します。プランに沿って、どのサービスをどの頻度で利用するかが決定されます。

サービス利用を始める際のプロセスは次の通りです:
1. ケアマネジャーとの面談・ヒアリング
2. ケアプラン案の提示と修正
3. 介護事業所(訪問・通所・施設など)との契約
4. 利用開始日の調整・説明
5. 利用開始後のモニタリング・見直し


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6. 利用開始後も見直しと調整を忘れずに

介護サービスを始めた後も、定期的な見直しは不可欠です。体調の変化、認知機能の進行、家族の状況変化などに応じてケアプランを更新することが必要です。

見直しのタイミングとしては:
・定期更新時(1年または3年ごと)
・身体機能・認知機能に変化があったとき
・サービス利用中に不具合や不満が出たとき

特に「利用頻度を増やしたい/減らしたい」「別のサービスを試したい」と思ったら、ケアマネジャーに遠慮せず相談し、プランの修正案を出してもらいましょう。


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まとめ:申請から利用開始までを見通す力をつけよう

要介護認定の手続きは、準備 → 申請 → 調査 → 審査 → 利用開始 → 継続見直し、という流れで進みます。一見複雑ですが、一歩ずつ段取りを踏めば怖くありません。

最も重要なのは、「不安な点は先に専門機関に聞く」「ケアマネジャーに相談する」こと。そして、認定後も定期的に見直して自分と家族に合ったサービスを使い続けること。

私は介護主任としてこれまで多数の申請例を見てきましたが、正しい知識を持ち、柔軟に対応することで利用者と家族、職員すべてが安心できるケア環境を作ることが可能だと信じています。

最初の一歩は申請です。不安にならず、丁寧に進めてください。

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