『要介護認定』ってどうやって決まるの?
〜家族が知っておきたい申請と調査のポイント〜
目次
- はじめに
- 「要介護認定」って何?
- 認定までの流れをざっくり解説
- 自宅に来る「認定調査」って何をされるの?
- 実は“非公開”な審査会の裏側
- 調査で損しないための注意点
- 家族ができるサポートとは?
- まとめ:正しく知って、焦らず申請を
1. はじめに
「親がだんだん弱ってきた気がする…」「介護保険って使うには何が必要なの?」
そう感じ始めた時に、まず出てくるのが「要介護認定」という言葉。
でも、いざ申請しようとすると「何を見られるの?」「どうやって決まるの?」と不安になる方がほとんどです。
この記事では、要介護認定の仕組みや調査の実態、家族として気をつけたいポイントを、わかりやすく解説します。
2. 「要介護認定」って何?
要介護認定とは、介護保険サービスを受けるための“入り口”です。
ここで「この人はどれくらい支援が必要か」を市区町村が審査します。
結果は以下の7段階に分けられます:
- 非該当(自立)
- 要支援1〜2
- 要介護1〜5
この認定によって、使えるサービスの種類と回数が変わってきます。
3. 認定までの流れをざっくり解説
大まかな流れは以下の通りです:
- 市役所で申請(本人・家族・ケアマネなどが可)
- 調査員が自宅で「認定調査」を実施
- 主治医が「意見書」を提出
- 審査会が「コンピュータ判定+人の目」で判断
- 約1か月後に認定結果が届く
要介護認定が出ないと、原則として介護サービスは使えません(ただし、急ぎの場合は“暫定ケアプラン”も可能)。
4. 自宅に来る「認定調査」って何をされるの?
調査員(市の職員や委託業者)が本人に対して「どのくらい日常生活が自立しているか」を聞き取り・観察します。
見るポイントは主に以下の5分野:
- 身体機能(立つ・座る・歩くなど)
- 生活動作(着替え・排泄・食事など)
- 認知機能(理解力・記憶・判断など)
- 精神・行動面(感情の安定・徘徊など)
- 社会生活(日課・服薬・買い物など)
時間は30分〜1時間ほど。
本人の状態を“できる・できない”の基準で細かく評価します。
5. 実は“非公開”な審査会の裏側
認定調査の結果と主治医の意見書をもとに、コンピュータが一次判定。
その後、地域の専門家(医師・看護師・ケアマネなど)による審査会で最終判定が行われます。
ここで気をつけたいのは「調査当日の印象」がとても重要になること。
専門家たちは本人に会わず、紙の情報だけで判断しているのです。
6. 調査で損しないための注意点
調査では、普段より“がんばって”見せる高齢者が多いです。
特に認知症のある方は「まだ大丈夫」と思い込み、自分の困りごとをうまく伝えられません。
家族としては以下を意識すると◎:
- 「いつも通りの状態」を見てもらうこと
- 事前に困りごとをメモしておく
- 必要なら調査中に横から補足説明をする
(※過剰な口出しはNG。説明は冷静に)
7. 家族ができるサポートとは?
調査の前後に家族がやっておくといいこと:
- 主治医に「普段の様子」を伝える(→意見書の質UP)
- ケアマネに相談してアドバイスをもらう
- 過去の転倒歴・受診歴・服薬状況などを整理しておく
調査日当日は、家族も必ず立ち会うことをおすすめします。
本人がうまく話せない時のフォローができるからです。
8. まとめ:正しく知って、焦らず申請を
要介護認定は「制度の入り口」であり、「介護のスタートライン」です。
だからこそ、正確な情報で、ありのままの状態を見てもらうことがとても大事。
- 元気に見えても「生活に支障がある」ならOK
- 家族の協力や記録が、判定を左右することもある
- 分からなければ、地域包括支援センターに相談を
介護は「最初の一歩」がいちばん大変です。
でも、その一歩が踏み出せれば、きっと次が見えてきますよ。
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