介護主任として働く私が「介護を始めた理由」と20年間の学び
こんにちは。介護歴20年、現在は介護主任として働いているみしょです。
普段は現場での指導や業務管理に携わっていますが、今日は少し個人的な視点で「なぜ私が介護の仕事を始めたのか」についてお話ししたいと思います。この記事を読んでくださっている方の中には、これから介護を始めようかと迷っている方、すでに働いていて壁にぶつかっている方、あるいはご家族の介護で悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。そんな皆さんに、少しでも参考になれば幸いです。
私が介護を始めた理由
高校を卒業する頃の私は、特別にやりたいこともなく、進学も就職も漠然と考えているだけの若者でした。周りの友人は大学へ進学したり、企業に就職を決めたりと次々に道を決めていく中で、私は進路に迷い続けていました。
そんな時、地元の介護施設で働いていた知人から「介護の仕事って面白いよ」と声をかけられました。正直その時の私は「介護=お年寄りのお世話」という程度の認識しかなく、あまり深く考えずに「人の役に立つならいいかもしれない」と思ったのです。それが、私が介護の世界に入ったきっかけでした。
ところが実際に現場に入ってみると、想像していた以上に大変な仕事でした。食事や入浴、排泄の介助はもちろん、認知症の方の対応や夜勤業務など、体力的にも精神的にも負担は大きい。最初の頃は、正直「自分には向いていないんじゃないか」と思い、辞めようと考えたこともありました。
介護を続けられた理由
そんな私が介護を続けられたのは、ご利用者との出会いが大きかったと思います。ある日、食事介助をしていたときのこと。普段は無口で表情の少ないご利用者が、食べ終わった後に私を見て「ありがとう」と笑顔を見せてくださったのです。その笑顔は今でも忘れられません。「自分の存在が誰かの支えになれる」――そう感じた瞬間でした。
その経験を境に、私は介護の仕事に少しずつやりがいを感じるようになりました。もちろん、楽な仕事ではありません。夜勤で疲れ切ったことも、利用者の死に直面して心が折れそうになったこともあります。でも、その一つひとつの出来事が、今の私を形づくってきたのだと思います。
介護主任としての今
気がつけば介護の世界に入り20年近く。途中で資格を取得し、研修を受け、今では介護主任として新人や若手職員の育成に関わる立場になりました。
主任の仕事は現場の管理や職員の指導が中心ですが、何より大切にしているのは「新人の気持ちに寄り添うこと」です。私自身、最初は右も左も分からずに悩んだ経験があります。だからこそ、現場で戸惑っている新人には「大丈夫、最初はみんなそうだよ」と声をかけるようにしています。
例えば、ある新人職員が「認知症の方に何度も同じ質問をされて困っている」と相談してきたことがありました。私は「その質問の裏には不安が隠れていることが多いんだよ」と伝え、一緒に対応の仕方を考えました。数週間後、その新人が「最近はご利用者が落ち着いてくれるようになりました」と笑顔で報告してくれたとき、心から嬉しかったのを覚えています。
介護のやりがいと現実
介護の仕事は「ありがとう」と言ってもらえる瞬間がある一方で、決してきれいごとだけではありません。身体的な負担、夜勤の連続、職員同士の人間関係、ご家族からのクレーム……。壁にぶつかることはたくさんあります。
ですが、それを一つずつ乗り越えるたびに成長できるのも介護の仕事の魅力だと感じています。特に、ご利用者が亡くなられる場面に立ち会うと、「人の一生に関わる」という責任の重さを痛感します。その悲しみを共有しながらも「最期まで支えることができた」という達成感は、他の職業では味わえないものです。
これから介護を始めようとする方へ
介護は決して楽な仕事ではありません。ですが、その分やりがいが大きく、人生を豊かにしてくれる仕事でもあります。これから介護の道を選ぼうとしている方には、ぜひ最初から「完璧を目指さなくていい」と伝えたいです。最初は分からなくて当然。失敗してもいいんです。大事なのは「相手の気持ちに寄り添おう」という姿勢だと思います。
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介護主任としての決意
私はこれまで多くのご利用者と職員に出会ってきました。その中で学んだのは、「介護は人間そのものと向き合う仕事」だということです。効率やマニュアルだけでは測れない、人の心に寄り添う力が必要です。
そして、主任という立場になった今、私の役割は「現場を支えるだけでなく、次世代の介護職員を育てること」だと感じています。未来の介護を担う人材が安心して働けるように環境を整えることこそ、主任の大切な責任です。
まとめ
「なぜ介護を始めたのか」と聞かれれば、きっかけは本当に小さなものでした。でも、その小さな選択が、今の私の人生を大きく形づくっています。
これからも介護の現場で、多くの人と関わりながら学び続け、伝え続けていきたいと思います。もしこの記事を読んで「介護を始めてみようかな」「今の仕事を続けてみよう」と思ってくださる方がいれば、それ以上に嬉しいことはありません。
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介護は誰にとっても他人事ではありません。仕事として携わる人も、家族として支える人も、みんなが関わる可能性がある世界です。だからこそ、経験を共有し、支え合うことが大切だと考えています。
これからも私は介護主任として、現場で働く仲間やご家族に寄り添いながら、日々学び続けていきます。


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