介護職って実際どんな仕事?現場のリアルを話します
はじめに
「介護職って大変って聞くけど、実際はどんなことをしているの?」
「やりがいがあるって言うけど、本当?」
そんな疑問を持つ方に向けて、今回は特別養護老人ホームで働く介護主任の私が、現場のリアルを包み隠さずお伝えします。
ニュースや求人票だけでは見えてこない、介護職の「本当の姿」を知っていただけたら嬉しいです。
現場でやっている主な仕事
介護職の仕事は「生活のすべてを支えること」と言っても過言ではありません。利用者さんの1日は、介護職の支えで成り立っています。
代表的な業務には以下のようなものがあります:
- 食事介助:誤嚥しないように注意しながら、安全に食事をサポートします。
- 排泄介助:トイレ誘導やおむつ交換。プライバシーや dignity(尊厳)への配慮が欠かせません。
- 入浴介助:転倒の危険を避けつつ、心地よく入浴できるように支援します。
- 更衣・整容の支援:着替え、歯磨き、髭剃り、髪のセットなど。
- レクリエーション:体操やゲーム、外出支援を通じて心身の活性化を促します。
こうした日常支援は、単に「手伝う」のではなく、その人らしさを大切にすることが重要です。
介護職の一日の流れ
介護の仕事をもっと具体的にイメージしていただくために、特別養護老人ホームにおける「介護職の一日」をご紹介します。
早番(7:00〜16:00)
- 出勤・夜勤者からの申し送り
- 起床介助(着替え・洗面・トイレ誘導)
- 朝食介助と服薬確認
- 午前の排泄介助・入浴介助
- 昼食準備・食事介助
日勤(9:00〜18:00)
- 午前中のレクリエーションやリハビリ補助
- 昼食の支援と片付け
- 午後の入浴介助や排泄支援
- 記録入力・家族対応
遅番(11:00〜20:00)
- 午後のケア全般
- 夕食準備・介助
- 就寝準備(着替え・歯磨き・トイレ誘導)
夜勤(16:00〜翌9:00)
- 夕食介助と就寝支援
- 夜間の巡視・排泄介助
- 急変時の対応
- 早朝の起床介助・朝食準備
こうして見ると、介護職の一日は「生活のすべてを支える連続」であることが分かります。
想像以上に「観察力」が求められる仕事
介護は体力仕事と思われがちですが、実は観察力と洞察力が非常に重要です。
たとえば、
- 「今日は食欲がない」→体調不良の前兆かもしれない
- 「いつもより言葉が少ない」→気分の落ち込みや認知症の進行のサインかもしれない
こうした小さな変化に気づけるかどうかが、利用者さんの安全を守る大切なポイントです。
まさに心のアンテナを張り続ける仕事と言えます。
新人時代の失敗談
私も新人時代、失敗ばかりでした。たとえば「忙しさのあまり利用者さんの目を見ずに介助してしまった」ことがあります。
そのとき利用者さんから「私と話してくれてないでしょ」と言われ、ハッとしました。
介護は“作業”ではなく“人と向き合うこと”だと気づいた瞬間でした。
失敗を重ねながら学んだことは今でも大切な財産になっています。
しんどい時もある、でもそれ以上に…
もちろん、介護の現場は楽なことばかりではありません。
- 認知症による暴言・暴力への対応
- 夜勤中の急変対応
- 人手不足による業務の過重負担
こうした課題に直面し、心が折れそうになる日もあります。
しかし、それ以上に「ありがとう」の一言が心を支えてくれるのです。
利用者さんやご家族から感謝の言葉をいただいたとき――
「この人の人生に、自分が関われているんだ」と実感し、やりがいを強く感じます。
家族との関わり
介護職は利用者さん本人だけでなく、ご家族とも深く関わります。
「母が安心している姿を見て、私も安心しました」と感謝されることもあれば、
「どうしてもっと早く気づいてくれなかったの?」と厳しい言葉を受けることもあります。
そのたびに、私たちの仕事は家族の気持ちを背負うものでもあると実感します。
チームで支える「連携」が命
介護職は一人では成り立ちません。看護師、理学療法士、ケアマネジャー、管理栄養士など、多職種連携が欠かせません。
現場では「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」が徹底されています。
例えば、
| 場面 | 報告内容 |
|---|---|
| 食事介助 | 食欲の低下・むせの有無 |
| 排泄介助 | 便秘・下痢などの体調変化 |
| 入浴介助 | 皮膚の状態や怪我の有無 |
こうした情報を共有し合うことで、命にかかわるリスクを未然に防いでいるのです。
感動のエピソード
ある利用者さんが最期を迎える前に、私の手を握って「あなたにお世話になれてよかった」と言ってくださいました。
その瞬間、「この仕事を続けてきて良かった」と心から思いました。
介護職は決して華やかな仕事ではありませんが、人の人生に深く寄り添える誇りある仕事だと実感しています。
広告①:資格取得支援サービス
介護職に興味はあるけれど、「資格がないとダメ?」と不安に思っていませんか?
実は多くの施設で「働きながら資格を取る」ことができます。
今は初任者研修や実務者研修の受講費用を補助してくれる制度も豊富です。
無資格からのスタートを応援するサービスを、ぜひ活用してみてください。
介護職のキャリアパス
介護職には「一生現場で働くだけ」というイメージを持たれがちですが、実は様々なキャリアの道があります。
- 介護福祉士として専門性を高める
- ユニットリーダーや主任としてチームをまとめる
- ケアマネジャーに転身して支援計画を立てる
- 施設長やエリアマネージャーなど管理職を目指す
このように、介護の現場はキャリアアップのチャンスが多い業界でもあります。
介護職は人生を支える仕事
介護職は、単なる「お世話係」ではありません。
人生の最期まで、その人らしく生きられるように支える、大切な仕事です。
しんどさもありますが、それ以上に感謝とやりがいに満ちています。
現場で働く私自身、「介護の仕事を選んで良かった」と心から思っています。
広告②:介護職専門の転職サービス
「もっと自分に合う職場を探したい」
「資格を活かしてキャリアアップしたい」
そんな方には、介護職専門の転職エージェントがおすすめです。
あなたの条件に合った施設を紹介してくれるので、安心して新しい一歩を踏み出せます。
まとめ
介護職は、体力も気力も必要とされる大変な仕事です。
しかし、利用者さんや家族の「ありがとう」に救われ、やりがいを感じられる特別な仕事でもあります。
この記事を通して、介護職のリアルが少しでも伝わり、興味を持っていただけたら嬉しいです。
ぜひ一度、見学や体験をして「本当の介護の現場」に触れてみてください。