はじめに
「介護保険って聞いたことあるけど、何がどこまで使えるの?」
そう感じている方、多いのではないでしょうか。
介護保険は、うまく使えばとても心強い制度。でも、使える範囲や条件を知らないと、「こんなはずじゃなかった…」と後悔することも。
今回は、介護保険で「使えるサービス」と「使えないこと」を現場目線でわかりやすく解説します。
ステップ1:そもそも介護保険ってどんな制度?
介護保険は、40歳以上の人が支払う保険料で成り立っている、公的な制度です。
対象となるのは、要介護認定を受けた人。年齢や状況によって以下のように分かれます。
- 65歳以上:加齢による心身の衰えが原因で介護が必要になった場合
- 40~64歳:特定の病気(がん、脳血管疾患、認知症など)で介護が必要になった場合
認定を受けることで、介護保険サービスが1割〜3割負担で利用できるようになります。
ステップ2:どんなサービスが使えるの?
介護保険では、大きく分けて「在宅サービス」「施設サービス」「福祉用具」の3つのカテゴリーがあります。
在宅サービスの例
- 訪問介護(ホームヘルパー)
- 通所介護(デイサービス)
- 訪問入浴・訪問看護
- ショートステイ(一時的な宿泊)
施設サービスの例
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護医療院
福祉用具・住宅改修
- 手すり、ベッド、車いすなどのレンタル
- 段差解消、手すりの取り付けなどの住宅改修(上限あり)
すべてケアマネジャーと相談して、必要なものを選びます。
ステップ3:「使える」ものと「使えない」ことの違いを知ろう
介護保険でカバーされるのは、「生活に必要な介護支援」です。
一方で、以下のような内容は介護保険の対象外=自費負担になります。
カバーされる例
- 食事・入浴・排せつの介助
- 買い物や掃除などの生活援助
- 通院の付き添い(条件による)
- リハビリテーション
自費になる例
- おやつ代・レクリエーション費
- おむつ代や日用品費
- 医療費(通院・薬代)
- 家族の介護相談(訪問回数を超えた場合など)
「すべて無料で介護してもらえる」というわけではないので、最初にしっかり確認しましょう。
ステップ4:介護保険サービスを賢く使うコツ
限られた予算の中で、必要な支援を受けるには「ケアマネジャーとの連携」が重要です。
賢く使うためのポイント
- 利用限度額の範囲内で、効率よくサービスを組み合わせる
- 状態に応じてこまめにケアプランを見直す
- 「これは保険で使える?自費?」と都度確認する
また、「使いすぎて自己負担が増える」こともあれば、「遠慮しすぎて介護者が疲弊する」ことも。
無理せず、必要なところでしっかり使うことが大切です。
まとめ
介護保険サービスは、「どこまで使えるか?」を理解しておくことで、家族の負担も本人の不安もぐっと軽くなります。
まずは、要介護認定を受けることから。
その後は、ケアマネジャーと一緒にサービスを選びながら、本人に合った介護を進めていけば大丈夫。
私は特養で介護主任をしていますが、「どこまでが保険でできるの?」というご相談は本当に多いです。
わかりづらい制度ですが、ひとつずつ理解していけば、ちゃんと味方になってくれます。
焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。
コメント