はじめに
「親が介護を必要としているかも…」「でも、何をすればいいの?」
そんな不安を抱えているあなたへ。
介護は突然始まることが多く、初めての人にとっては戸惑いの連続です。
今回は、これから介護を始める人が“まずやるべきこと”を5つのステップでわかりやすく解説します。
ステップ1:まずは現状を冷静に把握する
介護の第一歩は、「今、何がどれだけ困っているのか」を知ることです。
以下の点をチェックしてみましょう:
- 食事や着替え、トイレは自力でできるか?
- 転びやすくなっていないか?
- 物忘れがひどくなっていないか?
- 怒りっぽくなったり、判断力が落ちていないか?
「なんとなく心配」ではなく、「具体的に何が難しいのか」を整理することが大切です。
可能であれば、健康診断の結果や主治医の意見も参考にしましょう。
ステップ2:市役所に「要介護認定」を申請する
介護保険サービスを利用するには、住んでいる市区町村で「要介護認定」の申請が必要です。
申請は本人や家族が市役所の介護保険課で行えます。
申請後は、調査員が自宅を訪れて「できること・できないこと」の確認を行い、医師の診断書とあわせて審査されます。
判定は「要支援1〜2」「要介護1〜5」の7段階。
認定結果が出るまでには1か月前後かかりますが、緊急時は暫定利用も可能です。
ステップ3:利用する介護サービスを選ぶ
介護度が決まったら、使えるサービスが見えてきます。
たとえば――
- 要支援の方:デイサービス、ヘルパー支援など軽めの支援
- 要介護の方:訪問看護、ショートステイ、特養や老人ホームの利用も視野に
サービスは市区町村や地域包括支援センターで相談可能です。
「どこがいいかわからない」ときは、ケアマネジャーに相談を。
ステップ4:ケアマネジャーを味方につける
要介護認定を受けると、ケアマネジャー(介護支援専門員)が付き、本人や家族の希望を聞きながら介護プランを立ててくれます。
ケアマネの役割:
- 必要な介護サービスの選定
- 事業所との連絡・調整
- 利用者の状態変化に合わせた見直し
相性が合わない場合は変更も可能です。
「信頼できる相談相手」として、気軽に話してOK。
ステップ5:親の気持ちを忘れずに
介護を始めると、「あれもしなきゃ」「これもしてあげなきゃ」と気負いがちです。
でも、忘れてはいけないのが“本人の気持ち”。
- 「自分でできることはやりたい」
- 「迷惑をかけたくない」
- 「自分の人生を自分で決めたい」
こうした気持ちを尊重し、「できること・できないこと」を一緒に確認しながら進めると、無理のない介護ができます。
まとめ
最後まで読んで頂きありがとうございます。
介護は、いきなり完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
最初は不安でいっぱいでも、必要な情報を知り、一歩ずつ進めば、ちゃんと道は見えてきます。
まずは、現状把握から。
そこから「申請 → サービス選び → ケアマネとの連携」と進めていけばOK。
あなたの介護のスタートが、少しでもスムーズに、そして穏やかになることを願っています。
私は特別養護老人ホームで介護主任をしていますが、相談に来られるご家族の多くが、同じような悩みを抱えています。
「何から始めればいいのか分からない」「自分にできるか不安」――その気持ち、よくわかります。
でも、一歩踏み出すことで、不安が少しずつ和らいでいくのも事実です。
できるところからで大丈夫。ゆっくり進んでいきましょう。
コメント