介護が必要かも?と思ったら|認知症の初期サインと正しい対応
こんにちは、介護福祉士の「みしょ」です。
家族を見ていて「最近ちょっと変かも…」と感じることはありませんか?
物忘れ、性格の変化、生活リズムの乱れなど、小さな違和感が認知症の初期サインかもしれません。
今回は、介護現場で19年間多くの方を支えてきた経験から、「認知症かも?」と思ったときに知っておくべきポイントを、できるだけわかりやすく解説します。
家族が不安を感じたとき、どこに相談すべきか、そしてどう対応すればいいか──一つずつ見ていきましょう。
1. 「最近、物忘れが増えた…」それって本当に認知症?
まず知っておきたいのは、「物忘れ=認知症」ではないということです。
加齢による物忘れは誰にでも起こる自然な変化です。
違いを見分けるポイントは、「体験の一部を忘れるか」「体験そのものを忘れるか」。
たとえば、物忘れなら「カギを置いた場所を忘れる」。
一方で認知症では、「カギを使ったこと自体を忘れてしまう」ことがあります。
つまり、単なる物忘れは“思い出せば解決する”のに対し、認知症では“思い出す手がかり”すら失われてしまうのです。
この段階で見極めが難しい場合は、焦らずに観察を続けましょう。
日常生活の中で「行動の変化」が出ていないかを見ることが大切です。
2. 初期の認知症かも?チェックすべき5つの兆候
次のような変化が複数あてはまる場合は、早めの相談がおすすめです。
- 同じことを何度も繰り返し聞く
- 急にお金の管理ができなくなる
- 趣味や活動に興味を示さなくなる
- 日付や場所の感覚があいまいになる
- 怒りっぽくなったり、性格が変わる
特に「性格の変化」や「意欲の低下」は、周囲が気づきにくいサインです。
「最近、なんだか元気がない」「急に頑固になった」などの違和感も、実は脳の変化からくる場合があります。
3. 「急に怒りっぽくなった」これって病気?
脳の前頭葉は感情をコントロールする役割を担っています。
認知症が進行し始めると、些細なことで怒ったり、被害的な発言をすることがあります。
「なんでそんなことで怒るの?」と感じるかもしれませんが、本人にとっては“本気で不安”なのです。
ただし、同じような症状はうつ病や甲状腺の異常でも起こるため、安易に「認知症だ」と決めつけず、医師の診断を受けましょう。
4. 認知症かもしれない…まずどこで相談すればいい?
最初の相談先としておすすめなのは、かかりつけ医または地域包括支援センターです。
地域包括支援センターは全国の市区町村にあり、認知症や介護に関する相談が無料でできます。
相談に行く際は、最近の様子をメモしておくとスムーズです。
たとえば、「3日前の夕食を思い出せない」「財布を2回なくした」「夜中に出歩いた」など、具体的なエピソードがあると、医師や専門員が状況を判断しやすくなります。
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5. 認知症の診断は何科?どんな検査をするの?
診断を受ける際は、内科・脳神経内科・精神科のいずれかが基本です。
地域の総合病院には「もの忘れ外来」も設置されています。
主な検査内容は次の通りです。
- 問診(生活の様子や変化について)
- 簡易的な認知機能検査(MMSEなど)
- 血液検査(他の病気との鑑別)
- MRI・CTによる脳の画像診断
診断結果が出るまでには少し時間がかかりますが、焦らず一歩ずつ進めていきましょう。
6. 認知症の人へのNG対応と正しい接し方
認知症の方への対応で、つい家族がやってしまいがちなNG例があります。
NG対応の例:
- 「前にも言ったでしょ」と責める
- 間違いを厳しく指摘する
- 早くして!と急かす
これらは本人の自尊心を傷つけ、混乱を深める原因になります。
正しい対応は、「本人の気持ちを受け止め、安心できる環境をつくること」。
たとえば、「忘れたんだね、じゃあ一緒に探そう」と共感を示すだけで、穏やかな空気が戻ることもあります。
大切なのは「正す」より「寄り添う」姿勢です。
7. 認知症=何もできない?よくある誤解
「認知症になったら全部介助が必要になる」と思われがちですが、実際はそうではありません。
初期〜中期でも、自分でできることはたくさんあります。
得意な家事、趣味、散歩、買い物──できる範囲で“役割”を持ち続けることが、進行予防にもつながります。
本人の「できる」を奪わず、サポートのバランスを取ることが大切です。
8. 認知症の親にどう伝える?病院に行ってもらうコツ
「認知症の検査に行こう」と言うと拒否されることが多いです。
そんな時は、あえて“別の理由”を使ってみましょう。
- 「最近疲れやすいって言ってたし、血圧とか見てもらおう」
- 「健康診断のついでに相談してみよう」
- 「物忘れ外来っていう便利な外来があるんだって」
こうした声かけの工夫で、本人が安心して病院へ行けることがあります。
一緒に行くときは、待ち時間を快適に過ごせるように工夫してあげましょう。
9. 家族が「認知症じゃない」と認めたくないとき
家族の中には「うちの親はまだ大丈夫」と否認してしまうケースも多いです。
しかし、現場では「気づいていれば防げた事故」が少なくありません。
認知症は“早期発見=その後の生活の質を保つチャンス”です。
治療や支援、福祉サービスを早く導入できるほど、本人も家族も負担が軽くなります。
10. 認知症は治る?進行を遅らせるためにできること
現在の医学では、認知症を根本的に治す薬はありません。
しかし進行を遅らせる薬や、リハビリ・生活習慣改善によって、穏やかな生活を続けることは可能です。
たとえば、
- バランスの取れた食事(魚・野菜・発酵食品)
- 適度な運動(ウォーキングやストレッチ)
- 社会参加(デイサービス・地域活動)
- 脳トレ・会話・音楽療法など
家族のサポートと地域の力を上手に使うことが、最も大切な“薬”になるのです。
まとめ
「なんとなく変だな」という小さな違和感が、早期発見のきっかけになります。
認知症は、早く気づくほど、その後の生活の質を保ちやすくなります。
家族の気づきと、正しい対応が、本人の尊厳を守る第一歩です。
もし少しでも不安があるなら、地域包括支援センターやかかりつけ医に相談してみてください。
ひとりで抱え込まず、地域のサポートを上手に使いながら、安心できる介護を目指しましょう。


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