どれを選べばいい?
特養・老健・有料老人ホームの違いを家族向けにやさしく解説【現役介護主任が語る】
こんにちは、介護主任のみしょです。
「親の介護が必要になったけど、どこに相談すればいいの?」
「特養とか老健とか、有料老人ホームってどう違うの?」
初めて介護の現実に直面したご家族にとって、施設の選び方は本当にわかりづらいものです。
実際、相談を受ける現場でも「どこが一番いいんですか?」という質問を毎日のように聞きます。
この記事では、介護歴20年・現役の介護主任としての経験から、
特養・老健・有料老人ホームの違いと選び方を、できるだけやさしく解説します。
特別養護老人ホーム(特養)とは?
特養(特別養護老人ホーム)は、要介護3以上の方が対象となる「公的施設」です。
介護が日常的に必要で、自宅での生活が難しい方が入居します。
特徴と役割
特養は、いわば長期的に安心して暮らせる終の住まいです。
24時間介護職員が常駐し、食事・入浴・排泄などの生活支援を行います。
医療的な処置が必要な場合には嘱託医や訪問看護との連携で対応します。
- 要介護3以上が原則(例外で要介護1・2も特例入所あり)
- 月額費用は約8万〜15万円前後(所得によって減免制度あり)
- 看取り対応を行う施設も多く、「最期まで安心して暮らせる」環境
ただし、特養は非常に人気が高く、地域によっては入居待ちが1年以上になることもあります。
「今すぐ入居したい」というケースではすぐに利用できないことも多いのが実情です。
介護老人保健施設(老健)とは?
老健(介護老人保健施設)は、病院と自宅の中間に位置する「リハビリ施設」です。
医療・介護・リハビリの専門職が連携し、自宅復帰を支援します。
特徴と役割
- 入院後の回復期に利用されるケースが多い
- 入居期間は原則3〜6ヶ月(延長もあり)
- 医師・看護師・リハビリ職が常勤している
老健は「ずっと暮らす場所」ではなく、一時的に利用して自宅復帰を目指すことを目的としています。
家族が「少し休みたい」「在宅介護に向けて準備したい」ときにも便利です。
ただし、施設によってはリハビリよりも生活介護中心だったり、医療対応の幅が限られていたりと差があります。
入所を考える際は「在宅復帰支援の方針」を確認することが大切です。
有料老人ホームとは?
有料老人ホームは、民間企業などが運営する介護付き施設です。
入居条件やサービス内容、料金体系が多様で、施設によって雰囲気がまったく違うのが特徴です。
種類と特徴
- 要支援・要介護どちらも入居可能(施設による)
- 「介護付き」「住宅型」「健康型」の3タイプに分かれる
- 職員配置や設備、食事内容などで料金が変動
たとえば「介護付き」は手厚い介護が受けられ、「住宅型」は外部サービスを組み合わせる柔軟なスタイル。
ホテルのような内装やアクティビティの充実を売りにしている施設もあります。
月額費用は15〜30万円以上と高めですが、
快適さや自由度、家族の安心感を求める方に選ばれる傾向があります。
費用と入居条件の比較
| 施設名 | 入居条件 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 特養 | 要介護3以上 | 月8〜15万円程度 | 長期入居・終の住まい |
| 老健 | 要介護1以上(医師判断) | 月10〜15万円程度 | 在宅復帰を目指す短期滞在 |
| 有料老人ホーム | 施設ごとに異なる | 月15〜30万円以上 | 快適さ・サービス重視 |
費用は地域や所得、加算内容によって大きく変わります。
特に有料老人ホームでは、入居一時金や敷金が必要な場合もあるため注意しましょう。
どの施設を選ぶべき?家族が見るべきポイント
最も大切なのは、「本人がどんな暮らしを望んでいるか」を尊重することです。
それを軸に、以下のように整理してみると分かりやすいです。
- できるだけ長く安心して暮らしてほしい → 特養
- 自宅に戻る前にリハビリをしたい → 老健
- 快適な暮らしや自由度を重視したい → 有料老人ホーム
施設の雰囲気や職員の対応、清潔感などは見学して初めてわかる部分も多いです。
複数の施設を比較し、担当者に「夜勤体制」「看取り対応」「リハビリ内容」などを確認しておくと安心です。
現場から見た“後悔しない施設選び”のコツ
私はこれまで、特養・老健・有料すべての入居者と関わってきました。
その経験から感じるのは、「施設選び=本人と家族の生活の質を決める」ということです。
入居後、「もっと早く相談しておけばよかった」「他も見ておけばよかった」という声も少なくありません。
焦らず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに早めに相談しておくことが重要です。
また、見学の際には以下をチェックしてみてください:
- 職員が利用者に笑顔で声をかけているか
- 部屋や共用スペースが清潔に保たれているか
- 食事や入浴のサポート内容が具体的に説明されるか
パンフレットだけでは分からない部分こそが、施設の「本当の質」です。
まとめ
特養・老健・有料老人ホームは、それぞれ役割も特徴もまったく違う施設です。
「どれが良い・悪い」ではなく、今の状況と希望に合った場所を選ぶことが大切です。
迷ったときは、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみてください。
あなたのご家族にとって最適な選択肢を一緒に考えてくれます。
この記事が、あなたの施設選びの参考になれば嬉しいです。
それではまた、次回の記事で!

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