「うちの親だけ認知症がひどい?」…そう感じたときに知っておきたいこと
はじめに
「うちの親、他の人より症状が重い気がする…」
「周りはもっと会話もできてるのに…」
認知症の親を介護していると、そんな不安や疑問にぶつかることがあります。
でも、それは決してあなただけではありません。
今回は、介護歴19年・現役介護主任の私が「うちの親だけ重いの?」と感じたときに知っておきたいことをお話します。
1. 認知症には「タイプ」と「進行の早さ」がある
認知症とひとくくりに言っても、実は種類があります。
代表的なものは以下の4つです。
- アルツハイマー型認知症:記憶障害からゆっくり進行
- 脳血管性認知症:脳梗塞などが原因で、段階的に悪化
- レビー小体型認知症:幻視や転倒が目立つ
- 前頭側頭型認知症:感情や行動に変化が強く出やすい
つまり、「同じ認知症」でも症状の出方や進行具合は人それぞれ。
「うちの親だけ進んでる…」と感じるのは、タイプの違いによるものかもしれません。
2. 比べる対象が“見えてる部分”だけだから不安になる
他の家族のことって、実は断片的にしか見えませんよね。
ショートステイやデイサービスで見かける他の利用者さんは、
「たまたまそのとき調子がいいだけ」という可能性もあります。
また、周囲は無理に明るく振る舞っていることも少なくありません。
「うちの親だけ…」という感覚は、見えない部分があるからこそ起きやすいんです。
3. 進行が早い背景にある“環境要因”
実は、認知症の進行に影響するのは「本人の状態」だけではありません。
以下のような要因も、進行を早めるケースがあります。
- 住み慣れた家から急に施設へ移った
- 親しい人との別れや喪失体験があった
- 持病や薬の副作用がある
- 活動量が減り、刺激が少ない生活になった
もし当てはまることがあれば、それが一因になっている可能性も。
逆に言えば、環境を少し整えることで、進行をゆるやかにする手もあります。
4.「症状の重さ」より「どう接するか」が大切
重い軽いを比べたくなる気持ちはとてもよくわかります。
でも一番大切なのは、「いま、目の前の親とどう向き合うか」です。
できることが減っても、「ありがとう」と言えば微笑んでくれる。
昔の話をしてあげれば、ふっと目が潤む。
認知症になっても、その人らしさは残っています。
「うちの親だけ…」という焦りや比較ではなく、
「この人にとって何が心地いいか」を見つめ直すことが、介護を少しラクにしてくれます。
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おわりに
認知症の進行は十人十色。
だからこそ「うちの親だけ」と感じるのは、誰もが通る道です。
大切なのは、比べすぎず、自分と親のペースを大事にすること。
焦りそうになったら、深呼吸して思い出してください。
あなたの介護は、ちゃんと届いています。
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