施設と在宅、費用の違いって?
知らないと後悔する介護費用のリアル

● 施設の選び方・比較

施設と在宅、費用の違いって?
知らないと後悔する介護費用のリアル


こんにちは、介護主任のみしょです。
介護歴はもうすぐ20年になりますが、「施設と在宅、どっちがいいのか?」という相談は、今も本当によく受けます。
そしてその多くが「費用の違いがよく分からない」という不安に集約されるんです。

この記事では、介護現場に立つ私の経験も交えながら、施設と在宅の費用のリアルをお話しします。
単なる金額比較だけでなく、「後悔しないための選び方」まで深掘りしていきましょう。


■ 施設介護の費用:見た目よりも安定している理由

施設介護というと「高い!」という印象を持たれる方が多いと思います。
確かに入居金が必要なところもありますし、月額も10万〜30万円と幅があります。
しかし、実際に現場で見ていると、長期的には施設介護のほうが安定しやすいというケースも多いのです。

例えば、特別養護老人ホーム(特養)は公的施設のため、所得に応じた減免制度もあります。
また、介護スタッフが常駐しているため、家族が仕事を休んで対応する必要がない点も大きい。
月々の支出が「固定化される」ことは、実はとても安心できるポイントです。

逆に、民間の介護付き有料老人ホームでは月15〜30万円前後が一般的。
食事・掃除・レクリエーション・医療提携など、手厚いサポートが含まれているため、生活の質を重視したい方には最適です。

ただし、入居金や退去時の費用精算などは契約前にしっかり確認しておきましょう。
「安いから」「近いから」という理由だけで決めると、後々トラブルになることもあります。

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■ 在宅介護の費用:安く見えて実は“積み重なる”

「できるだけ自宅で過ごさせてあげたい」という気持ちは、多くのご家族が持っています。
在宅介護は、確かに介護保険を活用すれば1〜5万円ほどでサービス利用が可能です。
しかし実際には、保険外の費用が想像以上に多いのです。

  • おむつ代・介護用品・消耗品
  • 家族の交通費や食費
  • 通院付き添い・介護タクシー利用
  • 介護休業や時短勤務による収入減

これらをすべて合計すると、月10万円を超えることも少なくありません。
実際に私の担当していたご家庭でも、「最初は安いと思っていたけど、気づいたら赤字だった」というケースは多いです。

また、在宅介護では家族の精神的・肉体的な負担も大きくなります。
夜間のトイレ介助や食事介助など、日々の介護は終わりがありません。
現場で働く職員としても、「家族の疲弊」が原因で在宅継続が難しくなる姿を何度も見てきました。


■ 現場のリアル:私が見た“費用で後悔したケース”

あるご家庭では、90歳のお母様を在宅で介護されていました。
最初は「施設に入れるのはかわいそう」とご家族が頑張っていましたが、半年も経つとお父様が体調を崩されました。
結局、急遽ショートステイ→老健→特養へと切り替えることに。
結果的に、入居の手続き費用・引っ越し・追加備品などで、想定以上の支出になってしまいました。

こうしたケースを見るたびに思うのは、“最初から選択肢を広く見ておくことの大切さ”です。
施設入居も在宅も、どちらも悪いわけではありません。
重要なのは、家族が無理をせず、本人が穏やかに過ごせるバランスです。


■ 費用以外に見るべきポイント

  • 家族の生活リズムとの両立
    仕事や育児と介護が重なると、想像以上に心身が疲弊します。
  • 本人の希望
    「家で過ごしたい」「人と話したい」など、本人の思いも判断材料に。
  • 将来的な見通し
    認知症や身体機能の変化も考慮し、柔軟に切り替えできる選択肢を。

介護の現場では、「安さだけで決めて後悔した」という声を何度も耳にします。
短期的な支出だけでなく、時間・労力・安心感も含めて総合的に判断することが重要です。


■ 介護主任として伝えたい“後悔しないための考え方”

私自身、介護の仕事を始めたきっかけは「祖母の介護」を間近で見たことでした。
在宅での介護は、愛情があっても限界があります。
当時の両親は疲れきり、結果的に祖母が転倒し入院。そこから施設介護に切り替えました。
今振り返ると、もっと早く相談していれば良かったと思います。

現場にいて強く感じるのは、「お金のことを後回しにしない勇気」です。
介護には想定外の支出がつきもの。
だからこそ、早めにケアマネジャーや専門相談員に話をしておくことが、後悔を防ぐ第一歩になります。


■ まとめ:どちらが“安い”ではなく“合う”を選ぶ

施設と在宅、どちらにもメリット・デメリットがあります。
一見在宅の方が安く見えても、介護保険外の費用や家族の負担を含めると、決してそうとは限りません。

大切なのは、「どちらが安いか」ではなく「どちらが無理なく続けられるか」です。
家族が笑顔でいられる選択こそが、最良の介護だと私は思います。

そして、迷ったときは一人で抱え込まず、専門家に相談してください。
介護の形は人それぞれ。答えは一つではありません。

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この記事が、介護に悩むご家族や職員さんの参考になれば幸いです。
介護主任として、現場の声とリアルをこれからも発信していきます。

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