介護保険で使える「意外なサービス」まとめ|ベッド・トイレ・オムツ代補助のリアル
こんにちは。介護主任のみしょです。
介護歴も気づけば20年。これまで多くのご家族と関わってきましたが、「介護保険って、どこまで使えるの?」という質問は本当に多いです。
実は、介護保険でカバーできる範囲は想像以上に広く、「えっ、そんなことまで?」というサービスもあります。
今回は、現場の視点から見た“意外と知られていない介護保険サービス”をわかりやすく紹介します。
■ そもそも「介護保険サービス」はどんな仕組み?
まず大前提として、介護保険サービスは「介護が必要」と認定された方が、公的な補助を受けながら利用できる仕組みです。
自己負担は原則1〜3割。つまり、実際の利用料金の多くを保険でまかなうことができます。
要支援・要介護の区分に応じて利用できるサービスが決まり、ケアマネジャーが中心となってプランを作成。
「どんなサポートを受けるか」は、家庭の状況や本人の希望に沿って柔軟に組み立てることが可能です。
ですが実際には、この“柔軟さ”を活かしきれていないケースが多いんです。
「デイサービスとヘルパー」だけにとどまってしまっているご家庭が多いのも現実。
そこで今回は、介護保険で利用できる“意外な”サービスや制度を、現場のエピソードを交えながら紹介します。
■ 1. ベッド・トイレ・お風呂周りの福祉用具レンタル
まず、意外と知られていないのが「福祉用具レンタル」。
介護ベッド・手すり・歩行器・車椅子などを、介護保険を使って安くレンタルできる制度です。
要介護2以上であれば、ベッドやリクライニング車椅子なども1割負担で借りられます。
1ヶ月数百円〜数千円程度で、生活の質が一気に上がるケースも多いです。
例えば、私の担当した80代女性の方は、最初は「ベッドなんていらない」と言っていました。
でも、夜中のトイレ移動で転倒して骨折…。その後、ベッドと手すりを導入したことで、安全に起き上がれるようになりました。
「もっと早く使えばよかった」と笑っていたのが印象的でしたね。
■ 2. オムツ代も“条件付き”で補助が出るケース
「オムツ代って全部自費でしょ?」と思われがちですが、自治体によっては、要介護度や所得に応じてオムツ代助成を受けられる制度もあります。
例えば、東京都や大阪府などでは「紙おむつ支給制度」があり、申請をすれば月に数千円〜分の補助が受けられます。
しかも、介護保険とは別枠の「自治体独自の福祉制度」として利用できるのです。
このあたりはケアマネジャーに確認しないと見落としやすいポイント。
「うちは関係ない」と思わず、ぜひ一度調べてみてください。
■ 3. トイレ・お風呂のリフォームにも補助が出る!
意外と知られていないのが「住宅改修費」の制度。
手すり設置・段差解消・洋式トイレへの変更など、介護のためのリフォームに対して上限20万円(自己負担1〜3割)の補助が受けられます。
この制度、本当にありがたいです。現場でも「もう少し早く知っていれば…」という声をよく聞きます。
特に、要介護認定を受けたタイミングで一度だけ使えることが多いので、タイミングを逃さないように注意しましょう。
以前、私が担当したご家庭では、お風呂場に段差があり転倒リスクが高かったため、介護保険を使って改修を実施。
結果、「お風呂に入るのが怖くなくなった」と利用者さんの笑顔が増えたのを覚えています。
■ 4. 通院付き添いや買い物代行も「生活援助」として使える
訪問介護サービスの中には、掃除や買い物、調理といった“生活援助”が含まれています。
これも「要支援・要介護認定」を受けていれば介護保険で利用可能です。
ただし、利用には条件があります。
同居家族がいても介助が難しい場合や、身体的な理由で自立が困難なケースが対象となります。
中には、「通院の付き添い」や「薬の受け取り」までサポートできる場合もあるため、ケアマネジャーに相談してみる価値があります。
■ 5. 「ショートステイ」で家族のリフレッシュも支援
介護保険は、本人だけでなく“家族のため”にも使えます。
ショートステイ(短期入所生活介護)は、1泊2日から利用でき、介護者の休息や用事のための一時的な預かりが可能です。
「介護疲れで限界…」「法事があってどうしても留守にする」そんなときこそ、ためらわずに使ってください。
罪悪感を持つ必要なんてありません。家族が休むことも立派な“介護の一部”なんです。
■ 6. 高額療養費制度との併用も可能
介護と医療が重なると、どうしても出費が増えます。
そんなときに活用できるのが「高額療養費制度」。
医療費が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される仕組みです。
介護保険とは別制度ですが、併用することで「医療+介護のダブル負担」を軽減することができます。
医療機関の窓口で「限度額認定証」を提示すれば、支払い時点で自己負担を抑えられるのもポイントです。
■ 現場からのひとこと:知らないと“損する”のが介護制度
介護保険制度は複雑で、申請や書類も多いですが、裏を返せば「知っている人だけが得をする」仕組みでもあります。
私自身、介護主任として長年働く中で、「もっと早く教えてもらえれば…」と悔しがる家族を何度も見てきました。
制度を使うことは「甘え」ではありません。
むしろ、限られた家族の体力や時間を守るための“賢い選択”なんです。
もし今、介護に疲れていたり、経済的に不安を感じているなら、まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。
■ まとめ|「制度を使いこなす力」が介護をラクにする
介護は、家族の愛情だけで乗り切れるものではありません。
公的な制度・サービスを上手に使うことが、介護を長く続けるための最大のポイントです。
ベッド・手すり・オムツ・ショートステイ…
どれも「ちょっとした支援」ですが、それが積み重なれば大きな安心につながります。
もし、今の介護に息苦しさを感じているなら、「もっと楽になる方法がある」と信じてほしい。
その一歩を踏み出すのは、制度を“知ること”からです。
介護の現場で働く一人として、そして同じように悩むご家族へ。
少しでも負担が軽くなり、笑顔で過ごせる時間が増えますように。
――介護主任 みしょ


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