介護付きと住宅型の有料老人ホーム、何が違う?現役介護主任が徹底解説!
こんにちは、介護歴20年・現役の介護主任をしているみしょです。
「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」――どちらも聞いたことはあるけど、違いがよく分からない…という声を本当によく耳にします。
実際、入居を検討するご家族からも「どっちが安心なの?」「費用はどのくらい違うの?」という質問をよく受けます。
この記事では、現場で働く立場から見た「介護付き」と「住宅型」の違いを、サービス内容・費用・医療対応・職員体制・向いている人のタイプまで、わかりやすく整理してお伝えします。
■ そもそも「有料老人ホーム」とは?
まず前提として、有料老人ホームとは「民間企業などが運営し、入居者に生活支援や介護サービスを提供する施設」です。
その中に、大きく分けて3つのタイプがあります。
- ① 介護付き有料老人ホーム(=特定施設入居者生活介護)
- ② 住宅型有料老人ホーム
- ③ 健康型有料老人ホーム(自立型)
この中で、介護が必要な方が多く入居するのは「①介護付き」と「②住宅型」です。
一見似ていますが、介護サービスの仕組みや費用の考え方がまったく違うのです。
■ 「介護付き有料老人ホーム」とは
介護付き有料老人ホームは、施設の中で介護サービスを完結できるタイプのホームです。
正式には「特定施設入居者生活介護」という介護保険の指定を受けており、職員が常駐して日常生活の介助を行います。
特徴
- 介護職員が24時間体制で常駐
- 介護計画(ケアプラン)は施設のケアマネが作成
- 食事・入浴・排泄などの介助が施設職員で完結
- 介護サービス費は月額費用に含まれる
メリット
- 介護度が高くなっても継続して暮らしやすい
- 職員同士の連携が密で、サービスが一体化している
- 家族が安心して任せやすい
デメリット
- 月額費用が高め(20万~35万円ほど)
- 施設ごとの「色」が強く、自由度は低め
- 外部サービス(訪問リハなど)が使えない場合も
「介護が必要な方」や「一人暮らしが難しい方」にとって、介護付きは非常に安心感のある選択です。
■ 「住宅型有料老人ホーム」とは
住宅型は、住まいとしての機能に特化した施設です。
介護が必要になった場合は、外部の訪問介護や通所介護(デイサービス)などを利用します。
特徴
- 生活支援中心(掃除・食事提供・見守り)
- 介護サービスは外部事業所を利用(訪問介護など)
- 入居後の生活スタイルを自由に選べる
メリット
- 自由度が高く、自分に合った介護サービスを選べる
- 費用を調整しやすい(使った分だけ介護費用が発生)
- 比較的自立度が高い方に向いている
デメリット
- 介護度が上がると負担増になりやすい
- 介護と生活支援が分かれており、連携が弱い場合も
- 外部サービスが途切れると生活に支障をきたす可能性
住宅型は「まだ元気だけど一人暮らしに不安がある」「見守りがほしい」方に最適です。
■ 費用の比較:「介護付き」と「住宅型」どっちが安い?
| 項目 | 介護付き | 住宅型 |
|---|---|---|
| 入居一時金 | 0〜1000万円(施設により幅) | 0〜500万円 |
| 月額費用 | 20〜35万円前後 | 15〜25万円前後 |
| 介護サービス費 | 月額費用に含まれる | 外部サービス利用分を別途支払い |
単純に「月額だけ」で見ると住宅型の方が安く見えますが、介護度が高くなると外部介護サービスの利用料が増え、結果的に同等かそれ以上になるケースもあります。
■ 職員体制と医療サポートの違い
介護付きは、看護師が日中常駐している施設が多く、医療的ケアの必要な方でも受け入れがしやすいです。
一方、住宅型は看護職員の配置が義務ではないため、夜間の医療対応は外部連携(訪問看護など)で補います。
特に以下のようなケースでは、介護付きを選んだほうが安心です。
- 糖尿病などの医療管理が必要な方
- 排泄や入浴など、日常動作に介助が多い方
- 家族が遠方にいて、すぐ駆けつけられない方
■ どちらが向いている?タイプ別おすすめ
介護付きが向いている人
- 介護度が中〜重度の方
- 医療的な支援が必要な方
- 家族が全面的に介護を任せたい場合
住宅型が向いている人
- 自立していて生活の自由を大切にしたい方
- 家族が近くにいてサポートできる環境の方
- 費用を抑えたい方
■ 現場でよくある「勘違い」と注意点
- 「住宅型でも介護付きと同じケアをしてもらえる」と思ってしまう
- 「介護付きなら全部やってもらえる」と期待しすぎる
- 「住宅型なら安い」と思い込んで後から負担が増える
実際は施設によって体制も方針もバラバラ。
パンフレットだけでは分からない“現場の雰囲気”を、見学でしっかり確かめることが大切です。
■ まとめ
「介護付き」と「住宅型」は、どちらも“有料老人ホーム”という枠に入りますが、介護サービスの仕組みと生活の自由度が大きく異なります。
✔ 介護が必要で、職員にすべて任せたい人 → 介護付き有料老人ホーム
✔ まだ自立していて、自由に暮らしたい人 → 住宅型有料老人ホーム
どちらが正解ということはなく、本人の状態や家族のサポート体制によってベストな選択は変わります。
ぜひ複数の施設を見比べながら、「ここなら安心して暮らせそう」と感じる場所を選んでください。
現場の立場から言えるのは、「パンフレットより、職員の雰囲気を見ること」。
そこに“安心感”を感じられる施設こそ、長く穏やかに過ごせる場所だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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